カスペルスキーの放射線測定器(PM1203M、AT2503A、SOEKS)

2012年01月27日
関連ワード:コラム


Amazonをよく利用されている方であれば、こんなキャンペーンをやってます的なメールが来ているかもしれません。「Kaspersky(カスペルスキー)」とは、エフゲニー・ヴァレンティノヴィッチ・カスペルスキー氏(通称ユージン・カスペルスキー)が代表を務めるKaspersky Lab(ロシア)のアンチウイルスソフトウェアです。「ウィルスバスター」みたいなもんですね。

当たり前ですが、「ウィルス対策しましょうね」なんて言いたいわけではありませんw この「カスペルスキー」という名前、どこかで見たことありませんか?

[参照サイト]
INTERNET Watch:カスペルスキーが寄付する「ガイガーカウンター」5000台、受け入れ先は未定

4月上旬。原発事故直後に、まだ日本国内がテンヤワンヤしている中、放射線測定器を寄贈してくれたのが、このカスペルスキー氏だったのです。

[参照サイト]
Kaspersky Lab:「東日本大震災」被災地支援への取り組みについて

放射線測定器5000台の寄贈のみならず、さまざまな支援をしてくれていました。そして、いつものパターンです。この5000台、どうなっちゃったんだと。「INTERNET Watch」の記事タイトルは「受け入れ先は未定」となっています。さて今は? 調べてみましたがわかりませんでした。

現在どうなっているかはわかりませんが、これまたいつものパターン通り、じゃあカスペルスキー氏が寄贈してくれた放射線測定器は何だったのかを見てみましょう。上記記事中には「ロシア製とベラルーシ製の2種類」とありますが、Kaspersky Labのページを見てみますと、もしかしたら3、4種類かもしれません。

[参照サイト]
Kaspersky Lab:放射線測定器 操作マニュアル

「PM1203M」(Polimaster)、「AT2503」「AT2503A」(ATOMTEX)、「SOEKS」(SOEKS)の4機種なんですかね。各機種の日本語マニュアルは役立つと思いますので、同機種をお使いの方はご覧になってみて下さい。あるいはこれから購入しようとしているけど、日本語マニュアルがないと不安だ、という方にもいいかもしれませんね。

ただ、たとえば「SOEKS」のマニュアルを見てみたのですが、これは英語版の翻訳です。つまり、ロシア語→英語→日本語と訳されています。英語に訳されている時点で結構な誤訳といいますか、内容が違っていたりもするのでご注意ください。

詳細は以下の過去記事をご覧頂きたいのですが、「SOEKS」の対象物を測定する際の手順なんて、結構違っていますよw ちなみに、この記事は「SOEKS」を例にしていますが、「SOEKS」だけの問題でもないので、機種に関係なく、日本語マニュアルを読んでいる方もぜひ。

[関連過去記事]
マニュアルの翻訳は意外といい加減~SOEKSを例に

では最後に各機種を簡単に見ていきます。

「PM1203M」。このサイズ、この形状、背面のクリップなどを見ると、一見、個人線量計かとも思ってしまうのですが、まごうことなきH(10)校正のサーベイメーターです。周辺線量≒空間線量を測定するための機器です。形状はテレビリモコンのようですが、サイズはもっと小さいです。最近のテレビリモコン、デカイですしねw オーソドックスでシンプルなガイガーカウンターなのですが、特徴的なのは画面左端のグラフ(circular analogue scale)でしょうか。統計誤差を表していて、無印状態だと100%以上、グラフがフルになると20%以下です。フルに近づいた時点で線量率の数値を見るという風にすればいいと思います。

「PM1203M」一覧(楽天市場)
「PM1203M」一覧(Amazon)

「カスペルスキー」が宣伝文句になってますねw 「AT2503」と「AT2503A」の違いは測定範囲くらいなのですが、基本的にはAでOK。エネルギー補償型GM管搭載の個人線量計です。注目は商品ページにも掲載されているエネルギーレスポンスですね。ガイガーカウンターでよく見かける線形なのですが、縦軸をよーくご覧下さい。数値の刻みが細かいですよね。662 keVのCs137を1とした場合、50 keVだと0.7、80 keVだと1.2ということを意味しているグラフです。たとえば「Inspector」では最大5倍ですよね。これがエネルギー補償型の威力(?)ですw ただ、もっと言ってしまうと、そもそもエネルギー補償型というのは…。これについてはまた追って。非常に難しい問題を孕んでいます。

「AT2503」「AT2503A」一覧(楽天市場)
「AT2503」「AT2503A」一覧(Amazon)

「SOEKS 01M 1.CL」です。最後の「1.CL」という部分がバージョンで、これは最新バージョンです。比較的数値が高めに出る傾向があります。利用に際してはここをちゃんと理解しておきたいところです。悲しいかな、放射線測定器の”性能”は利用者の無知によっても決まってしまうというのが現状のようですので…。

それはさて置き、今回はあえて難を挙げてみます。私が思うのは2点。TFTと消費電力です。両者は関係しているのかもしれませんが。TFTのカラー液晶は確かにキレイです。ですが、真昼間のいい天気だとちょーっと見づらい。手で影を作って画面を見なきゃいけないかもしれません。そして、TFTのせいかどうかは定かではありませんが、電池の持ちが悪いです。ただ、あの画面だからこそ、バーグラフや線量率の変化が刻一刻と変わっていく様子が楽しいっちゃあ楽しい。ここを楽しめるかどうかですね。「別に…」ということであれば「RADEX RD1503」あたりを選べばいいんじゃないでしょうか。

また、電池の持ちも、エネループを使えば思ったほどは気になりません(主観ですけどね)。毎日長時間測定するなんて方は避けた方がいいと思いますが、1日1回、ちょこっと測ってみる程度ならノープロブレム。だって、スマートフォンなんてどんだけ充電切れますか?w あれに比べれば屁でもないですw

「SOEKS」一覧(楽天市場)
「SOEKS」一覧(Amazon)

さて、なんの記事でしたっけ? ああ、カスペルスキーだw 5000台の行き末をご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ、情報をお寄せ下さい(^^
関連記事
エアカウンターEX

コメント一覧

コメントを投稿する




管理者にだけ表示を許可する

みんなの放射線測定入門 (岩波科学ライブラリー)
著者:小豆川勝見(しょうずがわかつみ)

いちから聞きたい放射線のほんとう: いま知っておきたい22の話
著者:菊池誠(きくちまこと)×小峰公子(こまつきみこ)

武田邦彦が教える 子どもの放射能汚染はこうして減らせる!2 親子で一緒に実践編  (SUKUPARA SELECTION)
著者:武田邦彦(たけだくにひこ)

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1)
著者:竜田 一人(たつたかずと)