2011/12/21

映画「The Atomic Kid」の”放射能人間”が使うガイガーカウンター

gc_172.jpg 1954年公開のアメリカ映画「The Atomic Kid」。核実験に巻き込まれ”放射能人間”になってしまった主人公が、その”能力”でスパイをやっつけるという、ストーリーとしてはバカバカしい映画なのですが、非常に興味深くもある映画です。

まず最初に、この映画はコメディーではありますが、あのような実験はフィクションではなく、実際に行われていたということを断っておかなければいけません。実際の映像も残っています。目の前で原爆が爆発する様子を、サングラスをして見物。すごい時代です。

さて、当サイトとしてはもちろん気になるのは、この作品に頻出するガイガーカウンターです。実は2機種(?)あります。

ひとつは実在する「DG-7」。劇中ではプローブがないから「DG-2」かとも思ったのですが、説明によると「DG-7」のようです。撮影の便宜上、プローブなしで使っていたのでしょう。いずれにせよ、Detectron社製の古いガイガーカウンターです。Detectron社は今はなく、Tinker & Rasor社がブランド名としてその名を現在も使っているのみです。

[参照サイト]Tinker & Rasor

当時、アメリカでは”ウランブーム”がありました。原子力、核爆弾のためにウラン需要が高まり、ウランを採掘して一発あててやろうという機運があったのです。それに乗って、こうした映画もたくさん作られました。その際、Detectron社は映画製作のアドバイザーとなり、自社製品も映画に登場させていたわけです。

この”ウランブーム”あるいはアメリカにおけるウラン採掘は日本とも深く関係していて、大きな、しかしそれほど知られていないさまざまな事実があるのですが、詳細は他所に譲ることとします。

とりあえず、1950年代のアメリカ映画で「ガイガーカウンター」という単語が普通に使われていた。見ている側もこれがどんなものなのかおおよそ知っていた。ということが、興味深かったことのひとつです。

日本においてガイガーカウンターが知られるようになったのは、もちろん今年。それまではガイガーカウンターなんて言葉は聞いたことがないという人がほとんどだったのではないでしょうか。ガイガーカウンター=放射線測定器みたいに誤解されてもいるので、本当にガイガーカウンターが何なのかをわかっている人は、現段階においてもそれほど多くはないのでしょうけど(^^;

gc_173.jpg もうひとつ興味深かったのは腕時計型のガイガーカウンターです。発想としては、こんな時代からあったんですねw これは数値を表示するわけではなく、三段階ほどのメーターで”放射能”の強度を示してくれます。キレイな女性がガイガーカウンターを気にしつつ、主人公とキスするシーンなんて、なかなか面白いです。興奮すると針が振れたりw 関係はないのですが、「重力の虹」のスロースロップを思い出しました。

主人公を演じるMickey Rooney(ミッキー・ルーニー)が「ザ・シンプソンズ」の”Radioactive Man”に本人役で登場していたり、脚本家のBlake Edwards(ブレイク・エドワーズ)は同作で映画のキャリアを開始し、その後、「ティファニーで朝食を」「ピンクパンサー」シリーズの監督として活躍するなど、同作は単なるバカ映画には留まらない広がりも見せてくれます。

もし、お暇があればぜひ。

[参照サイト]CurtCass.com:Larry Cassingham&Detectron
※Detectron社の創設者、Larry Cassingham氏の息子、Randy Cassingham氏によるサイトですかね

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