2011/12/05

放射線測定器と美

美しく撮れている放射線測定器の写真をいくつか拾ってきました。美しいとひと言でいっても、実はとても奥が深いものでして。

gc_152.jpg
たとえば、こちらはとてもきれいな写真です。キャッチーです。ただ、写真がきれいだというだけであって、放射線測定器的立場から見ると、こちらに語りかけてくることは何もありません。そんな立場に立って撮っているわけでもないので、当たり前なんですが。
[ソース]euronews:Cook operates radiation detector over shellfish from Japan

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これは美しい。写真も放射線測定器も。黄色味ががった紅葉をバックにしていますから、「JUPITER SIM-05」の美をちゃんと意識して撮影しています。TERRAやPripyatあたりを手にしていては、この美しさは出ません。
[ソース]Geiger counter reading in Pripyat by nepray (Panoramio)

gc_154.jpg
有名な写真ですね。何気ない写真で、「Pripyat」がポンと地面に置かれているだけなのに、なぜか美しい。客観的に物事を捉えようとする方ではあるのですが、センスがあるのでところどころで美意識があふれ出てしまうw 放射線測定器に対する愛が文章の端々に控えめに配されているのも、個人的には好感が持てます。サイト自体もとても素晴らしい。
[ソース]Lost Places - Chornobyl Zone:Radiometer “Pripyat” RKS-20.03

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そして今回、一番紹介したかったのがこちら。不思議な写真です。歴史上の名だたるガイガーカウンターの山。なのにまったく迫力がない。すごくフラットなんですよね。これはテクニカルな問題ではありません。撮影者のスタンスの問題です。
[ソース]Verloren... Doch nicht vergessen.(pripyat.de)

Ich möchte nichts in Szene setzen oder künstlerisch darstellen, keine falschen Emotionen erwecken - keine Puppen oder Gasmasken. Ich bin, was man nicht leicht übersehen kann, auch kein Profifotograph. Das Feeling der Zone kann man sowieso nicht in Worte fassen und kaum in Bilder - was ich auch erst gar nicht versuche.
[参照ページ]http://pripyat.de/aboutme.htm

"Zone"とはプリピャチ等の"失われた場所"のことで、こうした"廃墟"の写真も多数紹介されています。これらの写真もとてもフラットです。「芸術的に見せたくない」と言ってるわけですが、でも、単なる事実以上の何かがこちらに伝わってきます。

冒頭の写真と比べてみれば一目瞭然です。あの「Inspector」の写真がいかに陳腐でつまらいことか。カメラテクニックを駆使し、ピンをいじくり、どれだけ凝った写真を撮ってみても、その写真は何も語りません。いや、無駄口が多い割に内容がないといったほうが正確でしょうかw

一方、「素人だ」という方の撮った最後の写真は、もちろん技術はある上で、あえてフラットに撮っています。だからこそ、被写体はこちらに何かを雄弁に語りかけてくる。

これだけあれば普通、いろいろなパターンで、いろいろな撮り方で、凝った写真を撮りたくもなるはず。なのにそうしません。そうしないことで語れることがある(そうしないからこそ写真が語ることがある)とわかっているからです。

本人は否定するでしょうが、私はここに”美”を感じます。その美とは、撮影者の美意識であり、写真としての美であり、放射線測定器の美しさです。


本当は「Lost Places」のようなクールさや、「pripyat.de」のようなスマートさを持ったサイトを当サイトも目指したかったんですけどね。残念ながら、サイト運営者の資質がそれに見合わず、こんなになってしまってますw

【今回登場した放射線測定器】
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