文科省のガイドラインを放射線測定器的に読んでみた

2011年10月25日
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興味深い資料を見つけました。基本的な内容ですが、初心者の方にはとても参考になる資料だと思います。

放射線測定に関するガイドライン
平成23 年10月21日
文部科学省
日本原子力研究開発機構
http://radioactivity.mext.go.jp/.../111021Radiation_measurement_guideline.pdf

現在、各地でホットスポットが次々と発見されています。放射線測定、ホットスポット探しをしている方、これからしようと思われている方は一度目を通してみてはいかがでしょうか。特に、”測定”と”検出”の違いを意識して読むといいんじゃないかと思います。欲を言えば、第Ⅱ章のタイトルはこうすべきだと思いますけどね。

第Ⅱ章 除染等のために比較的高い放射線量の原因となっているポイントを特定するための測定法
 ↓
第Ⅱ章 比較的高い放射線量の原因となっているポイントの特定法と汚染ポイントの空間線量率測定

補足しますと、

測定:放射性物質から出ている放射線を「0.1μSv/h」など、数値と単位で表すことのできる”量”で計ること。
→空間線量率の測定

検出:放射性物質がどこに多く存在するか、つまり”存在”を探しだすこと。絶対的な数値や単位はそれほど関係なく、相対的な数値の大小を見て、存在を見出すこと。※Sv表示値はSvとしての意味をなしていない場合も多々あります
→ホットスポットの検出

実際に行っていることは”検出”なのに、これを”測定”だと思ってしまうと、「地表で5μSv/hも出た! 年間で積算すると5×24×…」などとなり、評価を見誤る可能性もあります。ですから、この差を重々理解しておく必要があると思います。いまいちよくわからないという方は、β線とγ線の違いやSvとは何かといったことをお調べになるといいかと。

さて、この資料に関して当サイトで取り上げたいのは、もちろん「放射線測定器」に関してです。

資料中、汚染ポイントの特定に関して、以下のようなことが書かれています。

放射性物質が比較的多く付着している汚染ポイントを絞り込むためには、感度が高いGM汚染検査計を用いますが、用意できない場合はNaI線量率計等でも代用することは可能です。
(中略)
①GM汚染検査計の時定数を3秒とし、3cm/秒程度の速度で測定器のプローブ(検出部)を移動させ、針が大きく振れる場所を探します。

GMかNaIかはさて置き、ポイントは「時定数」ですね。だらだらと私が解説するよりも、こちらの動画がわかりやすいので、ぜひご参照下さい。

[参考サイト]放射線医学総合研究所:測定に共通する事項(時定数)

私たちが一般的に使用しているサーベイメーターでは時定数を調整できる機種はそれほど多くはないのですが、3秒固定モードを有する「Inspector PLUS」や線量率に応じて測定時間を調整してくれる「TERRA」などは、測定時間が固定された機種よりも線量率の急激な変化に対してヴィヴィッドにそして素早く反応してくれるはずです。そういう意味では、ホットスポット探しに向いているのではないでしょうか。他に、「PM1703M」「Gamma RAE Ⅱ R」あたりにも同様のことが言えると思います(※これらが時定数を調整できる機種だと言っているわけではありません。時定数と反応速度の関係から敷衍して、短時間で素早く反応を示してくれる機種はどれだろうか、ということを言っているだけです)。

「Inspector」一覧: 楽天市場 | Amazon
「TERRA」一覧: 楽天市場 | Amazon
「PM1703M」一覧: 楽天市場 | Amazon
「GammaRAE Ⅱ R」一覧: 楽天市場 | Amazon

ところで、上記資料中にもいくつか具体的な機種が登場します。

たとえば、日立アロカメディカルの「TGS-146B」。いいですよねぇ。けど高いですよねぇw

サーベイメーターではアロカのシンチもいくつか紹介されています。他に面白かったのが、千代田テクノルの「DOSE3(ドーズキューブ)」。これは個人線量計なんですが、Thermo Fisher Scientific(サーモフィッシャーサイエンティフィック)のOEMですかね。ただ、「EPD-G」ではないですね。β線にも対応していますから「EPD Mk2」あたりでしょう。Hp(0.07)に対応した高性能個人線量計です。

アロカでβ線に対応した個人線量計はあったかなぁ。なんかなさそうな気も…。とするとやはり、8月に起こった福島第一原発作業員のβ線被ばくは、サーモ社の製品(千代田テクノルのOEM含む)で測定していたのかな、なんて思いをさらに強めたり。

[関連過去記事]
放射線測定器的に読む福一作業員のβ線による被ばくニュース

というわけで、お役所仕事の割に面白い資料を作るじゃん、というお話でしたw
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