2011/10/15

GM管が2本だと何がいいの? ~その2:GM管の単純並列と個別駆動

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GM管が2本だと何がいいの?」第二弾です。ある種の緊張を覚えつつ、時間をかけて考えてみました。その結果、これはちょっと容易ではないぞ、根本的なところから勉強しなきゃいけないぞ、ということがわかりました。

現在、前回記事に頂いたコメントを読み解く作業をしています。文系で、電子回路のことなどまったく知らない素人が一文、いえ、一単語を理解するのに何時間とかかってますw 非常に厳しい道のりです。

当サイトは放射線(測定器)に、ましてや電子回路のことになんてまったく精通していない方たちもご覧になるようなサイトです。ですから、できるだけ具体的に、イメージしやすい形で、さらに自身の理解を深めることを第一の目的としつつ、”解説”していきたいと思います。

さて、頂いたお二人のコメントからわかったのは、次の2点を中心に考えていくのがいいかもしれないということです。それは、

・根本的なGM管の原理(回路的なこと)
・分解能

もちろん両者は密接に関係しているのですが。

で、今回はGM管の単純並列と個別駆動。これを見ていきたいと思います。まず注目したいのはy.utsunomia様のこのコメント部分。

> プリピャチは単純並列、SIM-05は個別駆動+β遮蔽

gc_081a.jpg GM管を単純に並列につなぐパターンと個別に駆動させるパターンがあるということですが、具体的に見ましょう。こちらがPripyatの回路です。難しく見えますが、大丈夫。私もさっぱりわかりませんからw で、この回路図のGM管部分だけを抜き出します。

gc_081b.jpg 真ん中に丸いものがふたつあります。そこに薄くこう書かれています。「CBM-20」。もちろんこれは「SBM-20」というGM管です。丸の中にGM管の形をした印があり、上から棒がささっているような感じです。これがアノード(陽極)です。一方、丸から下へも回路が伸びています。これがカソード(陰極)です。基本的にGM管は、放射線が入射すると「陰極から陽極に向かって短く強いパルス電流が(雪崩状に)流れ」ます。そして、「このパルスを測定・計数」するのがガイガーカウンターです。
[参考]
Wikipedia:ガイガーーミュラー計数管

と、難しいことはさて置き、注目してもらいたいのが、ふたつのGM管のつながれ方です。小学生の頃の電池の実験を思い出して下さい。直列と並列というのがありましたよね。この回路図、電池を並列につないだのと似ていませんか? そう、GM管を並列につなぐというのはこういうことなんです(もちろん、GM管と電池における”並列”は、言葉は同じでも意味合いは違うでしょうけど、イメージとして)。

gc_082a.jpg 一方、GM管を個別に駆動させる方法もあります。左図は「JUPITER SIM-05」かもしれない(?)回路図です。まったくわかりませんねw こちらもGM管部分を抜き出してみます。

gc_083b.jpg 青い直方体がふたつ上下に並んでいます。これがGM管です。詳しいことはわかりませんが、先ほどのPripyatと明らかに違うというのはなんとなくわかります。
[参考]
Схема электрооборудования ИЖ Планета 5 и ИЖ Юпитер 5

両者の「-(マイナス)」から(マイナスへ?)伸びているライン、上のGM管ではピンクとオレンジ、下のGM管ではピンクと緑、これが別々に伸びています。その先で両者がつながることはありません。両者の行き先は全体図の上部にある丸い部分(14)。左の説明(青い文字)にはこうあります。「гeнeрatoр」=「generator」。電源ですね(たぶん)。両GM管はそれぞれ別の電源とつながっています。まさに「個別駆動」とはこのことを指しているのだと思われます。

では、両者のメリット・デメリットは?

単純並列だとこうです。

> ガイガー管の1発の放電は、アノード抵抗からの供給される電気ではなく、
> 管そのものの静電容量に蓄えられた電荷が放電しているので、
> 単純に並列では放電している管が、他の管の電荷まで消費してしまい、
> 電圧が回復するのに本数分の時間がかかってしまいます。


難しくなってまいりましたw そして、これをちゃんと理解しようとすると、「そもそも電子(電流)とは?」みたいな話から始めないといけません。もちろん、こうした根本的なところの理解も必要ですが、当サイトでは正直、そこまでフォローできませんw 私の理解が追いつかないですし、サイトの趣旨が違ってきます。ですから、ここはサラっとなんとなくで行っちゃいましょうw

次に、個別駆動だとこうなります。

> 個別駆動ではそれぞれが個別に動作するため、
> 相対的にみて回復時間は全体では1/4に(4本の場合)なります。
> つまり単純に7.1cc×4=28.4ccになっているわけではないのです。


なんとなくわかったつもりで進みますw

これが何を意味しているかというと、

> 「解像度」が向上したということになります。
> 分解能と言ってもよいかもしれません。


なるほど。難しいw 飛ばし気味に来ましたが、今回はここまでとします。

次回は、なぜ分解能がよくなるのか、そもそも分解能とはなんなのかといったあたりをもう少し詳しく、そして具体的に考察してみたいと思います。

いやあ、ベータ粒子束密度のことといい、これといい、恐ろしいところに足を踏み入れてしまいましたw

[参考過去記事]
GM管が2本だと何がいいの?(ギブアップw)
DP802iを例にGM管の感度の話をわかりやすく
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コメント

非公開コメント

相変わらずすごい読解力ですね!

趣旨違いな解説を入れてしまい申し訳ありません。しかし、ガイガーカウンターを使う上で、管が1本か複数かの問題はいずれどこかで議論や解説をしなければならないことなので、恐れずにコメントします。
まず、抜き出された以前のコメント、重要部分が選び出されています。単純並列では合計容積の大型管に近づき、それだけ計数率が上がります(正確には2本の場合、2倍ではなく2倍-7%だそうです)が、単独の場合よりも時間反応が鈍くなります。これは、1発のパルスの立ち上がりも回復(回復しなければ次のパルスを出力できない)も2倍弱となります。しかし
、個別駆動の場合よりも、2本の管の感度差やばらつきは出にくいようです。また、パルス1発ずつの出力が大きく、カウントが確実(?)という利点もあるようです。反面管の寿命はやや短縮傾向があるようです。すでにSBM-20を使用した製品をお持ちの方で、数値よりもスピードを、とお考えの方は、単純に1本買い足して、単純並列にすると、ほぼ2倍のカウントを得ることができます。カウントが倍増するので、同じ時間での測定確度も上がります。
3本以上の単純並列は製品実例がないことからも、寿命からもやめておいた方が良いです。

 個別駆動の場合は実質的に、1本管の同じ製品を台数分並べて計測したのと同じ結果になります。複数の管が同時に放電する確率は低いため、仮に4台並んでいるときに、それぞれは「ランダムに交互に」動作する確率が高く、1台がパルスを出力し、その後回復中であっても、他のマシンはパルス準備ができているわけです。SIM-05の場合には、2本の管の出力を足し合わせ(1つの信号に合流させて)カウント表示しています。しかし、管ごとのばらつきがやや出易い傾向があるようです。これは4台個別のガイガーを用意しても同じで、1台ずつ個性があります。機種によっては2本の平均を取るものもあるようですが、そのあたりのデザインはサーベイメーターなのか、個人線量計なのか、また同じサーベイであっても正確な数値を目指すもの、いち早い危険の検出を目指すものかで、同じSBM-20を使用していても、設計の幅があるようです。4本仕様の製品もありますが、私が調べた範囲では、すべて個別駆動でした(その後の数値処理はさまざまな方式があるようです)。
 ちなみにSIM-05は最速の反応速度で、しかもカウンターの回路とアラームの回路が完全に独立しており、カウンターが動作できない速さ(?)の危険や、カウンターの故障があっても、危険を即座に音で知らせます。まさに軍用ですね。
 理解の足しになればよいのですが・・・。文系の方にでも理解できるように説明する責任があると思っています。
下の回路図はSIM-05ではないようです。

 解像度・分解能の説明にはなっていませんが、これについては、またの機会に・・。

 現行機種ではありませんが、安価に入手できて強力なポテンシャルを持つDP-5Vも、ぜひ加えてあげてください・・。
 

Re: 相変わらずすごい読解力ですね!

コメントありがとうございます。
そして、毎度のことながら、とても勉強になります。
今回のコメントも非常にわかりやすく、
これまで進めてきた考察がより一層、確かなものになりそうです。

ですが、これまた毎度のことながら、いましばし時間を下さい。
お返事を書き始めていたのですが、
膨大な量になってしまいまして(^^;)、
もう少しちゃんと自分の中で整理してから、
改めてお返事させて頂きます。


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