2011/09/13

一応、国民生活センターは例の報告書が”不適切”だったと認めました

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国民生活センターに電話で問い合わせました。

☆独立行政法人 国民生活センター

比較的安価な放射線測定器の性能
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110908_1.html

この件に関してです。

まずは丁寧に対応して頂いたことに感謝します。

さて、当然、質問の中核は「個人線量計に対してなぜ背面からγ線を照射?」です。

では、流れを大ざっぱにまとめてみます。あくまでもまとめたものです。テープに録音していたわけでもなんでもなく、メモした程度です。ですから、公正さと正確さには欠くレポートになっているかもしれません。その点を十分にご理解頂き、お読みく下さい。もちろん、なるべく正確に、というのは心がけてはいますよ(^^;)
「個人線量計に対して背面からγ線を照射するというのはどうなんですか? 適切なんですか?」

「消費者からの相談が多かった機種をテストしました。テスト内容は販売店の説明、説明書の記載、そして消費者の使用実態に基づいたテストです」

「では、その使用実態はどうなんですか? たとえばDoseRAE2をサーベイメーターのように使うこと自体はどうなんですか?」

「個人線量計ですから、本来はクリップでとめて使用するものだと思います。ただ、液晶面を上にして、空間線量を測定しているという実態がありますので、それに基づいてテストしました」

「ということは、使用実態自体が間違ってるということですよね? そして、その間違った使用実態に基づいてテストをしておいて、バラつきがあるとか、正確に測定できないとか、それはおかしいのでは?」

「あくまでも、販売店や説明書から読み取れた…」

「いや、それはわかります。確かに販売店や説明書に不備もあるでしょう。それはそれで景品表示法の問題として注意喚起でも何でもして下さい。そうではなくて、いまは性能テストの話をしています。使用実態に基づいてテストをする。それを否定はしません。それはそれで意義があると思います。ならば、その使用実態自体がどうか、も問題ですよね。そして、その使用実態が間違っているのであれば、報告書にも『間違った使用実態に基づいたテストです』と明記する必要があるんじゃないですか? そして、できうることなら正しい使用方法もアナウンスすべきじゃないですか?」

「確かに、あの報告書には言葉足らずな部分がありました」

「言葉足らずと言うよりも、私から言わせれば”風評被害”ですけどね」

「ただ、説明書を読んでも…」

「だーかーらー、その説明書って販売店が作成していたりするものでしょ? そこに誤りがあれば、それはそれで問題です。販売店の説明の仕方にももちろん問題はあるでしょう。だけど、その話と性能テストの話はまったく別ですよね?」(このあたり、ちょっとイラついたw)

「そうですね…」

「それに、DoseRAE2にはちゃんと、センサー位置が表に記されていますよね。入射方向はこちらだとわかりますよね?」

「おっしゃる通りです。少なくともDoseRAE2に関しては、表から照射するのが正しいと思います。ですが、販売店が…」

「だからぁ、あの報告書もそうですが、性能評価の問題と景品表示法の問題がごっちゃになってますよ?」

「はぁ、なるほど…。いろいろとご意見も頂いていますので、検討させて頂きます」

「検討とは? 再テスト?」

「言葉足らずだった点を踏まえて、間違った使用実態に基づいたテストだといった注釈を入れたり…」

「今後、訂正なり修正を出される予定があるということですか?」

「はい、改めて報告させて頂きます」

「楽しみに待ってます」

だいたいこのような流れでした。なお、あそこにラインナップされていた中国製の多くが個人線量計である可能性が高いということも言っておきました。ああ、GMとシンチを比較するのもどうなんだ?とも聞きましたが、結局「使用実態が…」みたいな話にすり変わっていきましたw

ちなみに、「個人線量計であることは、なんとなくわかっていたけれど、使用実態に基づいてテストした」とも言っていましたが、果たして本当かどうか…。報告発表後に苦情や意見が殺到して、あわてて調べて「個人線量計なのか」と気づいた感満載です。

さて、本当になんらかの訂正がなされるでしょうか…。どうでしょうかね。そして、どこが問題なのかを本当に理解してもらえたでしょうかね…。
個人線量計は個人線量計としてテストすべき

と言ってきましたが、ここは大きく妥協して、

本来の使用方法・目的とは異なる、間違った使用実態に基づいたテストだ

といった類の注釈がつくだけでも、とりあえずはよしとしましょうか。

私の一番の目的は、個々の性能がどうとか言うよりも(もちろんそれも知りたいですが)、個人線量計とサーベイメーターは違うものだ、使用目的も使用方法も異なるものだ、そして、そのことを広く知ってほしい、という点にあるので。

最後にもう一度、まとめておきます。
個人線量計とサーベイメーターは違うものです。

違うものですから、校正の仕方もテストの仕方も異なります。

もちろん、使用目的も使用方法も異なります。

DoseRAE2は個人線量計です。

DP802iなど現在日本に流通している

多くの中国製”放射線測定器(広義)”は個人線量計である可能性がとても高いです。

これらと比較されていた日立アロカメディカルのTCS-171はサーベイメーターです。

国民生活センターのテストはサーベイメーターのテストとしては、

もしかしたら妥当かもしれません(もしかしたら、です)。

ただ、少なくとも個人線量計には適していません。

つまり、DoseRAE2や中国製”測定器”といった個人線量計の性能を

サーベイメーター用のテストで判断するのは間違っているということです。

そもそも、サーベイメーターであるTCS-171と

個人線量計であるDoseRAE2や中国製”測定器”を比較するのはナンセンスです。

以上は、国民生活センターの問題。

以下は、消費者側の問題。

買おうとしている、使おうとしているその機種が何ものなのかを知って下さい。

シンチがどうとかGMがどうとか、感度がどうとか、そんなことは二の次。

当たり前の話ですよね。

よく切れるかどうかなんて見るより前に、

まず、包丁なのかカッターなのかを見ませんか?

それと同じことです。

一般に”放射線測定器”と呼ばれ、あるいは売られているものには、

大別すると2種類あります。

個人線量計とサーベイメーター(狭義の意味での放射線測定器)です。

ぜひ、この違いをまず学んで下さい。

そして、使用目的に応じて、適切な機種を選び、適切な測定を心がけて下さい。
[追記]

カッターで魚を切っている人が多いようです。

しかし、こちらでテストした結果、カッターで魚は切りづらいとわかりました。

使用に際してはご注意下さい。

なお、カッターは本来、魚ではなく紙を切るものです。

つまり、こちらでしたテストは間違った使用方法に基づいたテストだということです。

このテストだけでは、そのカッターの性能の優劣を結論付けることはできませんので

ご了承下さい。


これが正解じゃないですかね?

そして、改めてカッターをカッターとしてちゃんとテストすればいいわけでして。
以下の記事もご参照下さい。

国民生活センターがトンデモ報告を公開しました
改めて国民生活センターのこと、個人線量計のこと
国民生活センターの無様な言い訳

放射線測定器と個人線量計 ~何が違うの?
中国製放射線測定器の新基準(新というわけでもないけれど
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コメント

非公開コメント

すばらしい♪

お疲れさまでした。
素晴らしい行動力ですね。敬服致します。
これで実際に訂正なりして再発表するようなら大目に見ちゃいますよね。
どうでしょう?

このところ、数字が一人歩きを始めたみたいで、ほとんど感情に押し流されてしまっているような風潮に、ちょっと心配になって来ています。
私も線量計が明らかに高い数字を示したり、食品の汚染が隠されていたりする現状では、やっぱり気持ちが悪いのですが、それでも色々勉強してみると、うっかりするとカリウム40の方が元々はるかにたくさん含まれている食品もあったりで、う~んと唸っています。
測定器も食品も、少し冷静に考えて見た方がいいような気がする今日この頃です。

凸ったのですね。
お疲れ様です。
生活センターは「消費者目線」であるのはいいと思うのですが。
普段なら「正しい使い方をしなければダメ」となるのに、
どうして線量計に関しては「市販の線量計はダメ」という結論になってしまったのか、
不思議です

Re: タイトルなし

まったくです。

何度も聞きました。

「使用実態に基づくテストをするのはいい。
だけど、だったらそう記すべきでは?
そして、正確かどうかを言うのであれば、
適切な使用に基づいたテストをすべきでは?」

だけど答えは

「販売店や説明書の…」
「あくまでも使用実態に基づいた…」
「そういうご意見があるということは承っておきます…」

と、歯切れの悪い、回答になってない回答を繰り返すばかり。

私は陰謀論者ではありませんがw、
何か裏があるのでは?と思われても仕方ないような
稚拙なテスト・報告ですよねぇ。

Re: すばらしい♪

過ちては改むるに憚ること勿れ

ですね。

ぶっちゃけ、私はどっちゃでもいいんですけどw
(いや、よくはないですが)、
ただこれ、メーカーやショップにとっては、
誤ったテスト内容で誤った評価をされているわけですから、
完全な営業妨害。
場合によっては法的な問題にもなりうると思うんですよねぇ。

私も電話しました。

@nekoyamaxで9/12につぶやきましたが、やはり使用実態に基づいた、みたいな弁明に終始していましたね。素人が素人なりの使い方を想定してテストした、らしいのですがセンサー位置「+」が製品正面に明記してあるDoseRAE2は誰が見ても分かるだろ?って聞いたらそのとおりだと。
他の製品がGM管なので、裏面に開口部があって裏に線源を当てるのでDoseRAE2も同じように試験したと。
だったら使い方を間違えていることは注釈に書くべきですよねと申し入れしました。
あと、製造国は中国だけど製品はUS製だからということも申し入れました。

国センが試験結果として導き出したかったのは「市販の線量計では食品は計れない」ということでした。
だから誤差を大きく見せたかったのかもしれません。
私的には個人線量計はその場所(ポイント)が危険かどうかを察知する道具であって、正確な数字を得るためのものではないと考えています。

Re: 私も電話しました。

コメントありがとうございます。

> やはり使用実態に基づいた、みたいな弁明に終始していましたね。
> だったら使い方を間違えていることは注釈に書くべきですよねと申し入れしました。

電話する前から想像してました。こう返してくるだろうな、とw

他にもいくつか想定していた答えがあって、今日のRAE SYSTEMSとの面会の結果次第では、他の”言い訳”をしてくるような気がしないでもありません。いずれにせよ、おっしゃる通り、使用実態に基づいたテストならばその旨を記すべきですし、正しい使用方法をアナウンスすべきですよね。

> 個人線量計はその場所(ポイント)が危険かどうかを察知する道具であって、
> 正確な数字を得るためのものではないと考えています。

こんな文書があります。

個人線量計の特性をふまえたIVR従事者の被ばく線量評価
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrt/63/8/852/_pdf/-char/ja/

これはガラスバッジや半導体式の話ではあるのですが、個人線量計で空間線量率を測定することがいかに難しいか、たとえ”高性能”な機種であっても、正確な数値を出そうとすれば、かなりの工夫(補正)が必要だということがわかります。

専門家ですら大変なこのようなテストを、素人(放射線技師?がいたにせよ)が適当にやって、しかも公的な役割を担う報告書として大々的に発表しちゃうってのは、ひどい話です(^^;)


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