2011/08/24

線量カードが全国の書店で発売されると聞いて、さすがに…

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これまでわざとスルーしてきたネタで、そして、これを書いている現在でも果たして書くべきだろうかと悩んでいるのですが、「RADFit(ラドフィット)」に関してです。

一度は目にした方も多いのではないでしょうか。カード型の放射線累積線量計で、累積した放射線量に応じて色が変わり、どれだけの放射線を浴びたかがわかる、というものです。

【ソース】Publishing News
携帯型放射線累積線量計『RADFit(ラドフィット)』、書店での販売を開始
http://publishing-news.com/730.html

これまではネットでの通販で購入されることが多かったようなので、「まあ、買いたければ買えばいいんじゃないの?」くらいでしたが、さすがに「9月から全国の書店で販売する」というニュースを目にして、苦慮しつつこうして記事を書いている次第です。

さて、この「RADFit」ですが、先述の通り、累積放射線量で色が変わります。

「20mSvでこの色、50mSvでこの色、100mSvでこの色…」

こんな具合です。黄緑色から徐々に色が変化し、最終的に10000mSvで黒くなる、と。

普通の知識を持ち合わせているなら気づくはずなのですが、この数値、とんでもない数値です。よくニュースで「年間被ばく量は1mSv以内に抑えるべきだ!」なんて意見を耳にしますよね。1mSvですら人によっては大問題とするような数値です。あるいは、小学校の校庭の使用制限基準(だったかな?)が年間20mSvと決定されようとして、政府内でゴタゴタがあったというのも記憶に新しいところです。

なのに、この「RADFit」は20mSvが最初に設定されているカラーです。20mSv浴びないとこのカードに変化は現れないのです。しかも、画像をよくご覧頂ければわかる通り、その20mSvですら、「ん? 色変わったかな?」くらい。ハッキリと色の変化が見て取れるのは50mSv、100mSvあたりからです。

逆にこんな例で考えてみましょう。1μSv/hという地域があるとします。この地域で一日過ごすと24μSv。1年間で24×365=8760μSv=8.76mSv。20mSvには到底及びません。3μSv/hの地域で年間26.28mSv。ようやく色に変化が現れます。まあ、こんな地域に住んでいるのだったら、色の変化より体の変化が気になりますけどね。

仮に0.2μSv/hくらいの都内に住んでいる人が購入し、携帯していたとしましょう。1年経っても、このカードには何も変化はおきません。「もう半年前に有効期限過ぎてるじゃん」そう呟きながらゴミ箱へ捨てる、財布の奥底に眠っていた各種割引券を思い出しますw

もちろん、20mSvで突如色が変わるわけではなく、徐々にグラデーションをなしつつ色が変化していくのかもしれません(使ってないのでわかりません)。ただ、20mSvですら0mSvとほとんど識別不可能なほどの色の違いです。1mSv、2mSvといった累積で、果たしてどれだけの差が現れるのか…。実際、輸入元となっている会社のホームページではこんな記載があります。

「20ミリシーベルト(20 mSv)以上の放射線が飛散しているかどうかを判定する線量計としてお使いいただけます」

これ以上は書きません。あとは各自でご判断を。

各種線量カード一覧(楽天市場)
日立アロカメディカルの個人線量計「PDM-122」です。1μSv~10Svの積算線量を記録でき、線量率も高めではありますが、1μSv/h~1Sv/hの範囲で測定が可能です。

アメリカ・RAE SYSTEMS社の個人線量計「DoseRAE 2 PRM-1200」です。ふたつの検出器を持ち、低線量から高線量まで幅広くカバー。本来の使用目的とはズレますが、自治体などでは空間線量の測定にも使われています。手頃な価格の割に多機能、高性能という評価で人気が高いです。
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