パンケーキ型とマイカ窓

2011年06月24日
関連ワード:コラム
追記:ぜひ以下の記事もご参照下さい。
RD1008は”パンケーキ”じゃないとQR社は言うわけですが
2種類のLND7317 ~マイカなの? マイラーなの? なんなのっ!

パンケーキ型とは検出器の形状のことです。丸い形のGM管は俗称としてパンケーキと呼ばれます(ロシア製GM管はパンケーキとはあまり言いませんw)。マイカ窓とは検出部を覆う材質のことです。ですから、

01.パンケーキ型でマイカ窓
02.マイカ窓ではあるけどパンケーキ型ではない
03.パンケーキ型ではあるけどマイカ窓ではない

この3パターンが論理的には存在しえます。01はパンケーキ型マイカ窓付GM管、02は端窓式GM管などがそうですね。03はちょっとややこしいので上記リンク先の記事をご参照下さい。

パンケーキ型であることとマイカ窓には共通するメリットがあります。パンケーキ型は面積が広いです。ですから表面放射能汚染の検出・測定に威力を発揮します。そして表面の放射線といえばα線、β線。α線を拾うにはマイカ窓である必要があります。つまり、パンケーキ型であるならばマイカ窓であったほうがいいし、マイカ窓ならパンケーキ型であったほうがいいというわけです(端窓式もありますから、一概にそうとは言えませんが)。
※α線、β線の方向性という問題も絡んできます。このあたりはまた別の機会に。

pancake001.jpg pancake002.jpg 具体的に見てみましょう。丸いですからパンケーキ型です。そして表面が膜を張ったような状態です。これがマイカ窓です。なお、マイカ窓はとても薄く破損しやすいので(触れるだけで壊れたり)、取り扱いには注意です。

pancake003.jpg パンケーキ型マイカ窓付GM管を採用している放射線測定器で一番有名なのは「Inspector」ですね。そして、ちょっと面白いのが「RADEX RD1008」です。パンケーキ型ですしマイカ窓でもありますが、α線は測定できません(仕様上は)。

α線を計るにはマイカ窓である必要がありますが(α線を計るにはマイカ窓が適している、が正確)、マイカ窓だからといってα線を測定できるわけではないということです。ちなみに、「RADEX RD1008」はGM管2本搭載という情報を得ていましたが、正確にはパンケーキ型のGM管を2個搭載していて、片方のマイカ窓付GM管でβ線を測定し、もう片方のマイカ窓ではないGM管でγ線を測定するようです(画像参照)。

rd1008_003.jpg 2011.08.21追記:こんな画像を拾ってきました。パンケーキ型GM管がふたつあるというのがよくわかりますね。そして、片方はカバーで覆われているのも特徴的です。

もう少し深く掘り下げてみたいところですが、今回はここまでとしておきます。より詳しいことは上記リンク先をご参照下さい。


「Inspector(インスペクター)」商品一覧
「RADEX RD1008」商品一覧
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コメント一覧

229. 2011.11.17
「飯館でRd1008で測定したら、公式データに比べて、空間線量が30%から50%も低い理由を教えてください」に対するQuarta-Radの回答(抜粋)

RD 1008 is a radiation monitor, not a dosimeter.
In Russia there is a difference between these classes of devices.
Monitors are simple.
The dosimeter has a multi- metallic pancake assembled from Al, Cu, Pb with a different width around a geyger tube.
It means that, for example in case of a gamma- photon energy 600 keV the values shown by a dosimeter and radiation monitor would be equal.
But in case of energy of a gamma- photon would have a different value, the values would not be equal.
The monitor is more cheap, and it has no "pancake". That's the difference.

回答は、空間線量計と放射線線モニターの差だよと言い切って、両者のGM管の違いを説明しています。

gamma線のエネルギーが600KeVでは、線量計でも、放射線モニターでも一緒だ、同じ値を示すよと言っています。
しかし、違ったエネルギーでは、検出効率は違ってくるよといっています。
正しい線量率が求まるためには、エネルギーに依存しないで、同じように検出しなければなりません。
エネルギー依存性を平たんにしなければならいのです。

この工夫として、GM管の周りを囲む金属(パンケーキ)を配置すると説明しています。
エネルギーが高いほど、密度・原子番号が大きい原子でなければ、gammma線による後方散乱が起きにくいのだと思います。

まとめると、飯舘で少ない数値だったのは、使っているGM管が、高エネルギーのgamma線を捕まえられなかったからだと、説明しています。

RD1008はパンケーキ型だと思っていたら、形は似ていても、金属のパンケーキがついていなかった!!
230. 2011.11.17
コメントありがとうございます。

まず、QR社のコメント内容がよくわかりません(^^;)

> Monitors are simple.

唐突ですね。前後に何か文章は…。

> The dosimeter has a multi- metallic pancake
> assembled from Al, Cu, Pb with a different width around a geyger tube.

「The dosimeter」? 具体的に何を意味しているのか…。個人線量計をdosimeterと言うのが一般的です。ですが、パンケーキの個人線量計など見たことがありませんw QR社が何を指しているのかがよくわかりません。

> It means that,

これ以降もよくわかりません。言いたいことはおそらく、同エネルギーであれば、dosimeterでもmonitorでも同じ数値を示す。だけど、それぞれで測っているγ線のエネルギーが異なれば、測定値も異なるという、ごく当たり前のことを言っているような…(600 keVというのはあくまでも一例で、600 keVだから同じだという意味ではないと思われます)。さらに、「It means that」の直前の文が上記の通りであるならば、文章の論理的なつながりがよくわかりません。

> The monitor is more cheap, and it has no "pancake". That's the difference.

「The monitor」は1008を指しているのでしょうか…。1008はどう見ても、どう考えてもパンケーキですから、メーカーが「1008はパンケーキじゃない」と言うわけがないような…。というか、もし「金属のパンケーキがついていなかった」のなら、そもそもγ線を捉えられません。なぜなら、パンケーキだろうと普通のサイドウオールだろうと、金属部分にγ線があたるからこそ計測できます。金属がなければγ線は透過し捉えられません。

英語自体がかなりメチャクチャではあるのですが、文章自体がよくわかりません。もし差し支えなければ抜粋ではなく全文をお教え頂けないでしょうか。QR社のコメントがかなり抜かれていている? あるいはいくつかのQ&Aに分かれているものをひとつにまとめてらっしゃる??

次に、飯館の公式データがどれなのかを存じ上げません。もし可能でしたら、公式データが載っているサイトのURLをお教え頂けないでしょうか。日時、場所、線量率、測定に使用した機種を知りたいのですが…。

ちなみに、飯館以外だとお手持ちの1008はどんな感じでしょうか。普段から低めですか? その個体に問題があるという可能性はどうでしょう?

物理の先生に向かって、素人がこのように言っているというのも釈迦に説法のようで恐縮です(^^;)
236. 2011.11.17
「RD1008はパンケーキにあらず」訂正と補遺

致命的な間違いがありました。

エネルギーが高いほど金属層を突き抜けてしまうので、検出されないと単純に考えていました。
それは、誤りでした。

Knoll”Radiation Detection and Measurment”p219の図(陰極に入射したγ線の検出効率のエネルギー依存性)を見ると、0.75Mev以上ではエネルギーと検出効率がリニアに増加していました。

γ線と金属との相互作用の確率は、一般に壁の物質の原子番号に従って増加します。
したがって、原子番号の大きい陰極の壁でできたGM管ほど、γ線を検出する効率は高くなります。Al<Cu<Pb

安物のRD1008では、GM管を大きな原子番号の金属でできた「お鍋」で覆っていないので、検出効率が低かったのだろうと、主張していることになります。

「高エネルギー」という解釈は誤りでした。
深くお詫びいたします。

(補記)
私信は、挨拶が入っているだけで、原文そのままです。
修正・削除は一切ありません。
237. 2011.11.18
コメントありがとうございます。
これが全文ですか。
やっぱりわかりづらい英語ですね(^^;)

「Radiation Detection and Measurment」見ました。

600keVというか750keVあたりから、
材質の差がそれほど見られなくなりますね。
逆に鉛(lead)だと600keV以下で検出効率が上がります。
つまり、QR社は「材質が違うから、エネルギーによって異なる」と。
さらに、1008は「cheap」で「"pancake"じゃない」(!?)から、
違いが出ているのだろうと。
なるほど。

しかし、それでもなお疑問は残ります。
「it has no "pancake".」が解せないです(^^;)

> 大きな原子番号の金属でできた「お鍋」で覆っていない

これならもちろんわかります。
ですが、QR社は「it has no "pancake".」と言っています。
なんなんですかねぇ…。

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