ドン・ラドラム氏のヘブンズ・キッチン

2015年03月10日
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DonLudlum_001.jpg アメリカの放射線測定器メーカー、LUDLUMはドン・ラドラム(Don Ludlum)氏が1962年に設立しました。そのドン・ラドラム氏が2015年2月25日に亡くなりました。享年82歳。

[ソース]LUDLUM:Don Ludlum, Company Founder

1950年代半ばから、ドン・ラドラム氏はエバーライン(Eberline)のエンジニアとして働いていました。しかし、ある事情で退社し、LUDLUMを設立します。当時、エバーラインと言えば、国の核・原子力産業の真っただ中で中心的役割を担っていた超巨大企業でした。そこからの独立ですから、氏にとっては悩んだ末の結論だったかもしれません。

それでも氏が退社を決意したのは、彼が職人だったからです。事業を大きく成長させようとするエバーライン。ユーザーに近い存在でありたかったドン・ラドラム氏。

「ひとつの大きな契約よりも、10の小さな契約を取る方がいい」

これはドン・ラドラム氏のセリフです。

氏の思想・哲学はLUDLUM社の製品名によく表れています。LUDLUMの製品はすべて品番です。「Model 3」などが有名です。この件に関して、ドン・ラドラム氏はこう言います。

「製品名を考える暇があったら、製品の質を上げる努力をしたほうがいい」

まさに職人です。

テキサス人ですから粗野で武骨です。だけど、職人としてのプライド、繊細さ、慎ましやかさも持ち合わせています。2011年3月、福島で原発事故が起こった際も、LUDLUMは人と製品を日本に送り出しています。だけど、みずからはそんなことを大きく喧伝しません。黙って淡々と、やるべきことをやるだけでした。

1962年、自宅の台所で事業を開始したドン・ラドラム氏。2007年に亡くなったドン・ラドラム氏の末っ子、ロバート・ラドラム氏とともに、おそらく今も"天国の台所"で新製品の開発を続けていることでしょう。先に来ていた、そして、これからやって来るユーザーのために。

ご冥福をお祈りいたします。

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