2014/04/09

実効線量と実用量の関係をイラストにしてみた~Svの違い、”目安”の理由

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※クリックで拡大します。わかりやすくするため、かなりはしょってる部分もあります

この図から学びたいこと

Svの違い

「年間○Svだと…」

いろいろな資料で見かけるこのSvは実効線量です。一方、放射線測定器が指し示すSvは実用量です。そして、理論上、

実用量(Hp(10)>H(10))>実効線量

となります。

実用量=測定値が実効線量よりも大きい理由は、線量の過小評価を防ぐため。過小より過大のほうが安全だからです。

いずれにせよ、図の通り「測定値は○Sv/h。年間○Svだと…」と言う際は、話の基準が切り替わっている(青文字から緑文字)ということを意識したほうがいいと思います。

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放射線の測定が”目安”と言われる4つの理由

・統計誤差
放射線は一定に放出され、均一に測定器で検出できるわけではありません。測定値はフラついて当たり前。だから目安です。

・実測と校正場の差
放射線測定器は校正場において、適切に測定値が得られるよう校正されています。しかし、私たちが測定器を使うのは庭や公園などです。実測と校正場とでは、状況がまったく異なります。だから目安です。

・適切な校正
手にしている測定器が適切に校正されているかどうかがわからないこともあります。また、適切に校正され出荷されても、年月が経つと狂いも生じます。だから目安です。

・実用量と実効線量の違い
測定器で得られる測定値は実用量です。しかし、この測定値(実用量)が直ちに健康上云々(実効線量)ということには結びつかないというのは先述の通り。そういう意味でも目安です。

※そもそも、放射線測定において真値なんてものはありません。放射線がどういうものかを考えれば、なぜかはわかりますよね。

適切な測定

目安とはいえ、正しく測定したいもの。そのためには、できるだけ校正に近い状態で測定する必要があります。校正条件から外れれば外れるほど、測定値の信頼度は下がります。

その最たる例が、地面等に直置きしたSv”測定”です。一般的な放射線測定器(サーベイメーター)はγ線を対象にH(10)という基準で測定することを想定しています。しかし、地面に直置きすると、β線を拾ってしまうかもしれません。こうなるともはや、SvはSvの意味をなさない=測定になっていないということです。あえて言うなら、これは検出です。

地面に直置きし、Svが跳ね上がり、汚染度合がわかる。これ自体はまあいいでしょう。そう使うことを否定はしません。しかし、そこで得られたSv測定値を公表したり、さらにそれでもって危険を煽るような輩は信用しないこってすな。デタラメを公表しちゃえるんですから、他に言ってることも推して然るべし。

なお、個人線量計をサーベイメーターのごとく使うのも同様です。

実用量から考えよう

ほとんどの方が実効線量から勉強し始めます。知識としてはもちろん必要です。大切なことです。だけど、そこから始めると、それだけだと、実測において勘違いをしかねません。

まず私たちが目にするのは、放射線測定器の表示、測定値です。このSvが何なのかを知ることから始めればわかりやすいと思うんですけどね。

なのに、変に知識があってゴッチャになってると、「このエアカウンターSで実効線量を算出するにはどうすればいいか」みたいなことになっちゃいます。あるいは「胸ポケットにつけた個人線量計だと背後からの放射線を捉えきれないから数値が低く…」みたいなこととか。

手にしてるその測定器は何なのか、どう校正されているのか、そう校正されている意味は何か、じゃあその測定器をどう使えばいいのか、こうして得られた測定値をどう解釈すればいいのか。こういう順で考えれば、理解しやすくないですか?

「なぜサーベイメーターは周辺線量が測定できて、個人線量計は個人線量を測定できるんだ? 同じ空間線量のはずなのに…」

おかしいでしょ?w 周辺線量当量は測定するもんじゃないんです。目の前の公園に、周辺線量当量があるわけじゃないんです。周辺線量当量という基準で、測定値を算出・表示させてるんです。実効線量と実用量が頭の中でせめぎ合ってるから、こういうトンチンカンなことになっちゃうですよ。一度、ちゃんと分けて考えてみましょう。

[関連過去記事]
実用量を10ステップで解説してみた~まだわからないあなた、逆から考えてみて下さい
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