2014/03/17

原発作業員が描いた漫画「いちえふ ~福島第一原子力発電所案内記~」に登場する放射線測定器がリアルすぎ

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「いちえふ ~福島第一原子力発電所案内記~」という漫画がネット上で公開されています。作者は竜田一人さん(たつたかずと/仮名)。第34回MANGA OPEN大賞受賞作品として「モーニング」と「週刊Dモーニング」の2013年44号に読み切り掲載されたものだそうです。

[ソース]
モアイ:いちえふ ~福島第一原子力発電所案内記~ 【第34回MANGA OPEN大賞受賞作品】

(”フクイチ”ではなく)1F(いちえふ)で実際に作業している方が、現場のリアルな状況を詳細に描いた漫画です。とても面白いので、もしよければぜひ。

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニングKC)

さて、当漫画にも放射線測定器が登場します。順に見ていきましょう。

1f_001.jpg
免震棟で作業員に必ず渡されるAPDです。APDとはAlarm Personal Dosimeterの略で、警報機能付き個人線量計という意味です。

panasonichistory_009.jpg これはPanasonicのβ線対応版の個人線量計(青)。鉛カバーされて問題になった例の機種です。γ線のみに対応したモデルは「ZP-1460」。β線対応版の機種名はよくわかりません。

β線を検出できるオレンジ色の窓がついていて(漫画でも窓がふたつちゃんと!)、法令に基づき、Hp(0.07)での測定もなされます。電力会社等に卸されるのが普通で、一般に販売され、利用されることはまずありません。

[関連過去記事]
Panasonic(パナソニック)の個人線量計「ZP-145(P)」の歴史をさかのぼって見てみた。けど…
鉛板で被曝偽装された線量計は何だ? APDとは? Hp(0.07)とは?

このAPDに関して面白かったのが次のふたつのシーンです。

1f_002.jpg
まずこちら。擬音が「ヒュイ!」。当機の警報音を聴いたことはないのですが、ピィじゃなくてヒュイ。漫画家さんの観察力、表現力の素晴らしさを感じました。こういうディテールって大切ですよね。

1f_003.jpg
これも興味深いシーンです。ハンディタイプのリーダーがあるんですね。そもそも一般利用されない個人線量計ですから情報も少ないのですが、こんなものもあるとは初耳(目かw)でした。

次からは作業後の流れ。免震棟に戻ると”身体サーベイ”されます。

1f_004.jpg
1f_005.jpg
「富士電機かアロカでしょう」

あまーい!w ハンドルが黒い時点で富士電機でもアロカでもありません。応用光研工業の「SPS-210-F1」です。

β線用プレスチックシンチレータ。 硬質遮光膜で保護されています。有効面積は約100cm^2でグリッド付。しかし、スペックよりも説明部分が非常に面白い。

1f_007.jpg 時定数などの設定には、隙間からごみや水が入り込まないように可動スイッチではなくシートパネル面で行うようにしてあります。

把手を重量配分した位置にし、手首の疲れを最小限にします。

メンテナンス性を考慮し、コスト低減にお役立てさせて頂きます。

[ソース]応用光研工業:β線用サーベイメータ SPS-210-F1(PDF)

これは単なる製品説明でしょうか。私には競合他社製品に対する積極的・攻撃的な優位性の主張に読めますよっ!w

ここでハタと気付きます。製品名は「SPS-210-F1」。この説明のし方、そしてネーミング、完全に”1F”向けに開発し納入したと言っているに等しいですな。いやぁ、いろいろなことが見えて面白いですね~。

最後、1Fを出る際も車両の汚染検査が待っています。

1f_006.jpg
これは日立アロカメディカルの「TGS-146B」あるいはその前身モデルですね。富士電機じゃないですよ。富士電機は基本的にハンドルがL字です。アロカはコの字。ここ、今度の試験に出ますよ。ちゃんと覚えといて下さいね~www

[関連過去記事]
日立アロカメディカルのGMサーベイメーター・TGSシリーズを集めてみた

漫画ですから、それなりにデフォルメして描いたっていいはずです。だけど、読んでる側に機種名がわかるほど正確に放射線測定器が描かれているってのはすごい!というのが、当サイト的な感想ですw

あと、ペンネームが”たった一人”。現場作業の過酷さがペンネームからもひしひしと感じられます…。

表面汚染測定器 汚染検査計 β線用 GMサーベイメーター 日立アロカメディカル [TGS-146B]

[関連過去記事]
「チェルノブイリから福島へ 未来への答案」(NNNドキュメント)の放射線測定器
※この記事に貼りつけている動画もあわせてぜひ。チェルノブイリではどのように作業員を確保し、どのように作業が遂行されているかがよくわかります。福島と比較して見てみると面白いかもですね
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