2014/03/06

1954年にソビエトで作られたラケタ(Ракета/Raketa)のガイガーカウンター付腕時計

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先に謝っておきます。”ガイガーカウンター”ではない気がしますw

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[ソース]SvetSezona:Выбрать подарки / Часы «Ракета»

ラケタ(Ракета/Raketa)という時計ブランドがありました。時計が製造されていたのは、サンクトペテルブルクのペテロドヴァレェツ時計工場(Петродворцовым часовым заводом/Petrodvorets watch factory)。

鉱石加工場として設立されたのは1721年です。時計を作り始めたのは1949年からで、その当時はZvezda(Звезда)、Pobeda(Победа)といったブランド名でした。そして、1961年にユーリイ・ガガーリンがボストーク1号ロケットで人類初の大気圏外飛行を成功させます。この偉業をたたえ、同社は”ラケタ”(=ロケット)というブランド名で時計を開発・製造していきます。

[参考サイト]wikipedia:Raketa

同社は数え切れないほどの時計を作ってきたのですが、この”ガイガーカウンター”時計はその内のひとつ。正式名称はよくわからなくて、「часов "Ракета" с счётчиком Гейгера(wacth "Raketa" with geiger counter)」などと言われています。ソビエト特殊部隊用に少量限定で秘密裏に作られてたとのことです。

現在では「музее часового завода “Ракета”(Watch Factory "Raketa" Museum)」でしか見ることができません。一人だけこれを所有している人がいるようですが。マニアックだw

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[ソース]Kingowatch:Вымышленный Breitling против реальной «Ракета».

さて、ふたつ疑問点があります。まず製造時期に関してです。1954年に製造されたという情報をよく目にしますが、上述の通り、ラケタブランドは1961年からです。先のマニアも1954年と言っているので、1954年製造であることは間違いないのでしょう。だとしたら、正確にはラケタではなくZvezdaもしくはPobeda、あるいは軍用ですからブランド名はなかったかもしれません。

ただ、ラケタの箱も一緒に映っています。時計本体と箱は別々だったんじゃないかなぁ。どうでしょうね。ちょっとよくわかりません。

次の疑問点は”ガイガーカウンター”という点です。さすがにこの時代にこのサイズのガイガーカウンターは無理でしょう。箔検電器とかの線量計では…。

と、よくわからない点はあるのですが、しかし、私は1954年という年が気になります。

1950年代にはすでに腕時計型ガイガーカウンターは実際にあった

こちらの記事で紹介した腕時計型放射線測定器も1954年(これが製造年かどうかは不明)。フィクションですが腕時計型放射線測定器が登場する映画「The Atomic Kid」の公開年も1954年。

1954年といえば、第五福竜丸事件があり、モスクワ近郊のオブニンスクで世界初の原子力発電所が運転を開始した年です。放射線測定器的に見れば、「CD V700」の初代が登場した年でもあります。

冷戦、Civil Defense、核。こんな時代にヘンテコリンな放射線測定機能付き腕時計が世に現れていた。しかも2つも。なんか面白いですね。

最後に余談をひとつ。この類の話でよく引き合いに出されるのが、「007 サンダーボール作戦」。ジェームズ・ボンドが腕時計型の放射線測定器(もちろんフェイク)をつけていて、2013年6月、クリスティーズのオークションで$160,000で落札されました。

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同作の小説が発表されたのが1961年、映画の公開が1965年です。これよりもっと前に実際のガイガーカウンターが…というようなことが、海外サイトではよく話に出てくるのですが、いやいや、「The Atomic Kid」は1954年ですぜw

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