2013/12/13

放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2013 in Japan / Radiation Detector of the year 2013 in Japan

関連ワード:コラム , RADEX , SOEKS , TERRA , デザイン ,
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放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2013 in Japan
(Radiation Detector of the year 2013 in Japan)


RADEX RD1503(Quarta-Rad / Russia)

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ひとつ面白いことを紹介します。楽天市場で「放射線測定器」を検索し、これを新着順に並べます。で、一番最後のページから見てみます。新着の逆、古い順の出品が見られるということです。その結果がこちら。

「放射線測定器」の一番古い出品(楽天市場)
※ページをさかのぼるようにして見てみて下さい

最後から見ていくと、一番古く出品されていたのが「RADEX RD1503」だとわかります。私は3.11直後からこの事実に着目していました。なぜか。日本におけるパーソナルユースのガイガーカウンター(放射線測定器)の歴史は、ここから始まったと言っても過言ではないからです。

2011年はどの機種も相場はかなり高めでした。「RADEX RD1503」も3万円台ほどだったような記憶があります。同レベル帯のガイガーカウンターもそれくらいで、TERRAあたりになると7万円、8万円することもあったような…。

月日を経るごとに放射線測定器の相場も徐々に下がり始めました。それを牽引したのはまぎれもなく「RADEX RD1503」です。途中、ナノセンス騒動なんてものもありつつ、最初に2万円、1万円を切ったのも同機。「エアカウンター」が登場するまでは、日本の一般的な市場でもっとも手頃な価格で購入できる放射線測定器だったのではないでしょうか。

3.11以降、多くの方が「RADEX RD1503」を購入しました。多くの方に活用されてきました。今でも多くの方が利用されていることでしょう。手のひらに収まるコンパクトさ、ボタンを押すだけで計測できる手軽さ、わかりやすい平均化処理、白くてかわいらしい外観。ロシアで生まれたガイガーカウンターは、日本でも多くの人に愛され続けています。

しかし2013年8月、「RADEX RD1503」がとうとう製造中止となってしまいました。

なんてことはないはずです。この世からたった一台のガイガーカウンターがなくなるだけ。他にもガイガーカウンターはいくらでもあります。また、「RADEX RD1503」の後継には外観がよく似た「RADEX RD1503+」、さらに性能をよくした「RADEX RD1212」もあります。「RADEX RD1503」がなくなるからといって、困ることはありません。

ですが、私はなぜか寂しい。そして、日本における家庭用ガイガーカウンターの歴史、その第一歩を刻んだ「RADEX RD1503」には感謝と敬意を伝えなければいけないと、身勝手な使命感に駆られてしまうのです。

だから。

世界で唯一の放射線測定器アワード”放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2013 in Japan”、その栄誉を「RADEX RD1503」に贈りたいと思います。


Поздравляем! Я счастлив сообщить, что детектор из 2013 года в Японии идет к вам! Спасибо за ваши многочисленные усилия.

Congratulation! I'm happy to announce that the Radiation Detector of the year 2013 in Japan goes to you! Thank you for your many efforts.


殊勲賞

SOEKS 01M(SOEKS)

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クールな外観、見ていて楽しいガジェット性、しかし乗りこなすには相応の対処が必要なじゃじゃ馬っぷり。女優にたとえるなら、能年玲奈? いや、少々若すぎるな。綾瀬はるか? ちょっと違うな。あ、沢尻エリカ!w というように、擬人化したくなるような不思議な魅力が「SOEKS 01M」にはあります。

そんな「SOEKS 01M」はずっと安定した人気を誇っています。しかし、一瞬、「SOEKS 01M」が危機を迎えます。「Defender」という弟の出現です。兄より勉強のできるエリートです。2012年秋、日本市場に弟は姿を現しました。

ところがです。兄貴はできる弟を見事、返り討ちにしてしまいました。まあ、弟にも”穴”があるからそうなったのですが。

強いな兄ちゃん! 頭がよけりゃいいってわけじゃないんだね。バカにはバカの強みがあるんだね! バカというのは失礼か(^^; いや、褒めてるんですよっ! だって、かわいいじゃないですか。ピコピコ一生懸命で、フラフラで、クールな顔してがんばってるんですもん。その果敢な戦いっぷりに称賛を送りたいと思います。

敢闘賞

TERRA-N(Ecotest/Sparing-Vist Center)

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みにくいアヒルの子が見事、美しい白鳥になって羽ばたいた。そんな印象を受けました。どれほどかはわかりませんが、見聞きする限りはTERRAシリーズの中で一番売れていたかもしれません(青歯テラも何気に好調だったような感じもします)。

ただ、緑テラが敢闘精神を発揮できたのは、ひとえに多くの方の支持があったからこそ。さらに言ってしまえば、デタラメな行政(地方自治体)に多くの市民が疑問を呈し、これに反発した結果でもあると勝手に理解しております。

[関連過去記事]
浪江町のガイガーカウンター その10 ~TERRA-N誕生の背景に隠された”真相”

もしかしたら、まだまだ在庫が残っているかもしれない。だけど、もう悲観することはありません。一人立ちできるほど立派に成長したのですから。

技能賞

Onyx(International Medcom Inc)

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これまでにない斬新な美しいデザインが多くの人を魅了しました。そして、デザインの美しさとは単に外観がどうかということに留まらず、その設計思想や性能とも密接に関わる重要なことだと教えてくれました。

あとは最大の難関、”コスト”という山をどう乗り越えるかです。ここを克服できれば、一気に横綱の地位へと駆け上ることができるはずですし、それを願わずにはいられません。

特別功労賞

RD-2 量産型(WBS)

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性能、デザイン、コスパ、メーカーとしてのチャレンジ精神、どれも素晴らしかった。しかし、私が「RD-2 量産型」を褒めたたえたいのは、ここに変なセンチメンタリズムがなかった点です。ビジネスとしていけると思い始めた。ビジネスとして苦しくなったからやめた。その淡々とした姿勢に爽やかさすら感じることができました。

逆に言えば、そうではない暗澹たる気持ちにさせるものが…おっと晴れの舞台でこれ以上はやめときますかw

とにかく、多くのファンがいた「RD-2 量産型」が惜しまれつつ引退しました。その功績に惜しみない拍手を送りたいと思います。

総評

先日の「2013年放射線測定器的重大(10大)ニュース」という記事でも触れましたが、今年はミドルエンドモデルが苦戦した年だったような気がします。具体的には「Inspector PLUS(USB)/Alert(V2)」あたりのクラスです。

エントリーモデルはいつでもコンスタントに売れているようです。そして、3.11から3年近くが経ち、すでに放射線測定器を持っているユーザーで、さらにもう一台購入しようとするユーザーはハイエンドモデルに手を伸ばす。行きつく先はやっぱりスペクトルなんですかね。結果、放射線測定器の”空洞化”が生じます。

まあ、これにはメーカー・販売業者側の都合も大きかったような気もします。「RADEX MKS1009」の発売を控えた「RADEX RD1008」、リニューアル真っ最中だった「Inspector PLUS/Alert」あたりは製造しづらく、在庫分がはければ仕入れが難しくなっていた、とか…。

おそらくですが、3.11以降、売上的なトップ10はほとんど変わってないんじゃないでしょうか。1万円前後で放射線測定器が買えるという現在。新規参入、新機種の投入はさすがに難しいでしょうねぇ(^^;

しかし、放射線測定器好きとしては、来年もぜひ新たなモデルを目にしたい。手にしたい。各メーカーさん、期待してまっせ!w

というわけで、年に一度の、何の権威もない、賞されても特に何もない、独断と偏見に満ちた世界で唯一の放射線測定器アワードでした。

【参考資料】過去の放射線測定器 オブ・ザ・イヤー受賞者たち
2012年度 Inspector PLUS/Alert
放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2012 in Japan
2011年度 TERRA MKS-05
放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2011 in Japan
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コメント

非公開コメント

納得の放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2013 in Japan ですね

本当にRD1503が今まで日本の民間測定界をリードしてきた気がします。
たしか孫さんがこれで都内を測った結果が、当局の発表したそれと大幅に違うのを指摘して、ずさんな体制が表面化し、個人で持つ事のきっかけになった様な気がします。
その後も市民団体がこれを使っていたりして、広く知られて普及していきました。
価格も個人で手軽に買える価格に下がっていき、いまでも多くの家庭のこの1503が鎮座しているはずです。
私など友人にこれをプレゼントした位です。

このさき1503が新型に移行しても消え去っても、日本では測定器自体の無くなることはないのでしょうね。
ハッピーさんと言う方のツイッターなどをみているとつくづくそう思います。
で、仰るようにこれからは手軽におしゃれに常に携帯出来る小型の機種か、本格的にある程度の数値を測ることが出来る機種に二分化していくのでしょうね。
個人では小型の携帯機、自治会や会社などの組織にはある程度本格的な物ということなのでしょうか。
そして本当はそれを活用する知識も求められていかないといけないはずなのですが。

RADEX RD1503、いままで本当にありがとう、ご苦労様でしたです。

Re: 納得の放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2013 in Japan ですね

一般ユースモデルは性能が飛躍的によくなるなんてことはなくて、サイズが小さくなるかデザインが新しくなるか安くなるかの差でしかありません。ですから、おっしゃる通り二分化というのは必然的な流れかもしれませんね。


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