2013年放射線測定器的重大(10大)ニュース

2013年12月08日
関連ワード:コラム , Quarta-Rad , Inspector , RadEye , Onyx , DO-RA ,
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毎年恒例の放射線測定器的重大(10大)ニュースです。順序はランキングではなく、なんとなくのものです。

その1 慌ただしいQR

ロシアの放射線測定器メーカー・Quarta-Rad社。同社にとって、これほど慌ただしかった一年はなかったのではないでしょうか(3.11直後も大変だったでしょうけど)。

まずは前年からアナウンスされていた「RADEX RD1503」の製造中止が現実のものとなってしまいました。夏ごろだったですかね。

個人的には1503+よりも1503を残してほしいと思っています(いました)。1706と1503+はプログラム的に似てますから、だったらシンプルな1503と1706というラインアップの方が幅広いユーザーに受け入れられやすいんじゃないかと。ただ、企業としては製造効率を考えないといけませんから、そうすると1503+のほうがいいのかもしれません。

いずれにせよ、3.11以降の海外製ガイガーカウンターで、もしかしたらもっとも多く売れた1503がなくなるというのは寂しい限り。今もなお在庫分は流通しているようですが、最大の敬意をもって、同機を看取りたいと思います(^^;

次に驚いたのが新機種「RADEX RD1212」の登場です。うーん、だったらなおさら1503+とかぶっているわけですし…。その内、1503+もなくなるのか!?

そして最後は「RADEX MKS1009」です。「RADEX RD1008」のニューバージョンとでも言いましょうか。1008もなくなっちゃうんですかね。

というように、いろいろあったQR。来年早々には1009が日本市場にも登場するかもしれませんし、同社の動向はこれからも目が離せません。

その2 エアカウンターEXが販路を拡大

公式オンラインショップだけでしか販売されていなかったエステーのシンチレーション式放射線測定器「エアカウンターEX」がAmazon、楽天市場でも販売されるようになりました。

普段から、Amazonや楽天市場を使ってる方も多いでしょうから、販路が広がること自体はありがたい話です。ただ、「そこまでしなきゃ売れないのか!?」というエステーの必死さを勝手に想像してしまい、興味深くことの推移を見守らせて頂きました。

とりえあえず、最大のライバルが同社製の半導体式放射線測定器「エアカウンターS」というのはなんとも皮肉な話ではありますな。

その3 名機たちのリニューアル

Inspector」が「Inspector PLUS」になったのがいつなのか、その正確な年はわかりませんが、それなりの歴史を刻んできた「Inspector PLUS」がリニューアル。ガイガー界のキングが静かに変貌を遂げました。

一方、一足先にリニューアルしていた「Inspector Alert」(現在は「Inspector Alert V2」)。まったく同じだったふたつのInspectorが袂を分かった。そういう意味でも面白い事件だったと思います。

また、「Pripyat RKS-20.03」のデジタルバージョン「Pripyat MKS-01/02/03/04」が発表されたのも衝撃的でした。アナログ版がなくなりデジタルへ完全移行、ということではないと思いますが、ガイガーカウンターの歴史に燦然と名を轟かすプリピャチが、いよいよもってデジタル化されたというのは、感慨深いことです。

チェルノブイリで誕生し、福島でデジタル化。この間、約30年。こんなちっぽけなデバイスは様変わりし、変わらないのは人ばかり。ああ、変われないから身の回りのものを変えようとするのか。なるほどね。

その4 相次ぐ中小メーカーの撤退

「RD-2 量産型」(WBS)、「Aing-327」(アドテック)が製造中止になりました(後者は正確には昨年のようですが)。他に、撤退というわけでもないのかもしれませんが、「CK-3」「CK-6」のメーカーがメディキタスからMU(エムユー)に変わったり、TSサービスの「MGP-1」やセントラルの「JG22N」が行方不明だったりw

なんと言いますか、放射線測定器とビジネス、そんなことをいろいろと考えさせられました。コンスタントに売れるような物でもないですからねぇ。なかなか難しい商売だとは思いますです。はい。

そういえば、世田谷区の某団体の某機種はどうなったんですかね(棒読み)。

その5 突発的な激安出品に湧く!?

特段、今年に限った話でもないのですが、「なぜこれがこんな値段で!?」みたいなことが強く印象に残っています。

たとえば、「RADEX RD1008」がヤフオク!で1円スタートで複数回出品されました。10月末には2万円台の青歯テラ(TERRA with Bluetooth)が登場し、サードウェーブ=ドスパラは「STORA-TU RKS-01」を6万円台という値段で現在も販売中です。激安「Pripyat」もまだ売ってますね。緑テラ「TERRA-N MKS-05」も安く大量に出品されてたなぁ。

「RADON-3」が2万円割れだったのも強烈でした。「GammaTwin」が1万5000円てのは、もしかしたら販売業者がゼロを1個間違えていた!?w 製造中止になっていたと後日わかった「RD-2 量産型」も1万円を切っていて、「買っておけばよかった」という後悔の声が各所から漏れ伝わってきます。2台で8,000円だった「ULTRA RADIAC PLUS」は結局いくらだったんだろう…。

その6 Onyxリリース!?

一応、1月7日に「Onyx」がリリースされました。一応w ただ…。

ほしい人の大半は、「Kickstarter」のリミテッドエディション(スケルトン)を買ってると思うんですよねぇ。そうすると、製品版をリリースしようにも、注文があまり来ず、製造発注しづらいとか…。ミニマムでどれくらいのロットが必要なんでしょ。こういう類って。

とりあえず形式上、リリースされている状態ではあるけど、どうなってるのかは「?」という、なんとも煮え切らない一年でしたw

その7 ドスパラがAmazonに進出するも微妙…

ドスパラ=サードウェーブもAmazonに出店しました。注目商品は「RadEye B20」「RadEye PRD-S」「Pripyat RKS-20.03」「STORA-TU RKS-01」。どれも魅力的な機種です。だけど…。さっぱり売れてない気配w プリピャチなんて1万円台なんですけどねぇ。


確かにちょっと難しい価格帯なんですかね。エントリーモデルはそれなりにまだ売れているけど、中・上級者はすでに数台持っていて、買うにせよシンチでガッツリスペクトルとか?

そういう意味で、ミドルクラスのモデルが厳しかった1年とも言えるかもしれませんね。「Inspector Alert(V2)」がパッタリと日本市場から消えたってのも、それを象徴しているかもしれません。

その8 迷走DO-RA

コンセプトワークが先行し、現場が追いつかない、そんな1年を過ごしてきた「DO-RA」。ようやく中国で本格的な製造が開始されそうな気配ですが…。

当初、日本での製造も目論んでいたようですが、製造コストを考えると厳しかったんじゃないでしょうか。その後、日本でどうこうという話は一切聞かなくなりました。どうなったですか? 本多電子さん、日ソ貿易さん。

上述の「相次ぐ中小メーカーの撤退」にも通じる話ですが、放射線測定器ってのは難しいですね。あまり無責任に「がんばれ」とも言いづらいんだよなぁ。一時がんばってもらっても、続いてもらわなきゃいけませんし…。ほんと難しい(^^;

その9 どうした「Lost Places」!?

長年に渡りチェルノブイリ周辺のZONE=Lost Places=失われた地をレポートしてきた有名サイト「Lost Places」が、2013年2月ごろの記事を最後に更新されなくなり、ハッキリとは覚えていませんが、随分前からサイトを見ることすらできなくなっています。中の人たちの各ブログはそれなりに更新されているような感じもあるのですが。

同サイトにはロシア系を中心とした放射線測定器のレビューも載っていて、とても有益な情報源だったのですが…。どうしちゃったんですかね。ちなみに、同サイトの現段階での最新の(最後の?)レビューは「DKS-04(ДКС-04)」。「BELLA」に似た謎多き機種です。近いうちに当サイトでも紹介してみたいと思います。

その10 気になる新製品情報が続々と

秋頃から「SOEKS 112」(SOEKS)、「ペガサス(Pro)」(富士電機)、「PM1605」(Polimaster)など、気になる新製品情報がたくさん舞い込んで来ました。一般ユーザーレベルでは「SOEKS 112」が一番興味を惹く製品でしょう。現在、公式サイトでは色に関するアンケートも実施されています(2013年末まで)。

人気を博していたにも関わらず廃版となる機種。

なんとなく開発され販売され静かになくなっていく機種。

威勢よく「開発した!」と宣伝され、だけど本当に市場に出ていたのかどうかよくわからず、その企業の存在ともどもどこかへ姿をくらました機種。

そして新たに開発され発表される機種たち…。

決して大きくはない放射線測定器のマーケット。世間的に見てもニッチな製品・商品ですし、そんな物に興味を抱いている人も多くはありません。

ただ、ちっぽけな世界ではあるのですが、そんな世界にも移ろいはありまして、何の因果かその世界に興味を持ち、こうして日々、行き去るもの、来るものを眺めていますと、ビジネスの、経済の、社会の、人生の縮図を見ているようで、いろいろと考えさせられます。

そんなこんなで、今年も残りあとわずか。例年通り、年末企画として放射線測定器という観点から今年を振り返ってみました。さて、来年はどんな年になるでしょうかね。
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