2013/11/07

ガイガーのグレートジャーニー~SAPHYMOとThermo Fisher Scientificのニアミス

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[ソース]
http://forum.rhbz.org/topic.php?forum=75&topic=1&postid=1352299942

手に取ってみたい、じゃない。触れてみたい。そう思わせる魅力があります。艶めかしさすら感じさせます。これはフランス軍、ベルギー軍、オランダ軍といったNATO軍で、1970年代後半から1980年代にかけて使われていた(作られていた)「DOM 410」というガイガーカウンターです。スペックやらなんやらが知りたい方はググってみて下さい。そんなことよりも問題なのはメーカーです。

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[ソース]
http://rxcontrol.free.fr/Geiger/index.html

このセットボックスがまたすごくて、密封できるようになってて、水に浮くんですが、それもこの際どうでもいいです。ボックスの側面に「SRAT」という浮き彫りがあります。これがメーカー名です。まったく聞き覚えありませんよね。では、オランダ軍が使っていたガイガーカウンター「IM 4175」をご覧下さい。驚愕の刻印が。

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「SAPHYMO-SRAT」! MiniTraceシリーズでお馴染みのSAPYMOです! どうやら、SRATはSAPYMOと関係があるようです。しかし、次の画像で驚きはさらに増します。

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[ソース]
http://www.civildefensemuseum.org/southrad/im4175.html

ちょっと見づらいのでリンク先と併せてご覧下さい。同じ「IM 4175」なのに、こちらは「SAPHYMO-STEL」となっています。いったいどういうことでしょう。

ここでSAPHYMOの歴史を改めて調べてみたのですが、リニューアルしたSAPHYMO公式サイトに歴史が載っていましたw そして、この歴史がまた衝撃的なんです。

1952 : Formation of BEFIC (Design Office-Manufacture -Test Instruments). Industry representative for German companies, including KK&K, now Siemens Turbo Machinery (Co)
1965 : BEFIC developps radiation measurement and takes part in forming the company AUTOMESS GmbH
1980 : BEFIC buys out PHYSIOTECHNIE, one of the world’s four pen dosimeter manufacturers
1985 : Acquisition of SAPHYMO-STEL’s Radiation Measurement department, a subsidiary of THOMSON, and formation of SAPHYMO-PHY
1989 : Production unit inaugurated in Thiron-Gardais (France), featuring a calibration center
1997 : SAPHYMO-PHY company name changed to SAPHYMO
1999 : Formation of SAPHYMO-ITALIA
2001 : Creation of a Transport Telematics department
2002 : Acquisition of NOVELEC (France) and GENITRON (Germany)
2006 : Merger between SAPHYMO and NOVELEC
2008 : The German subsidiary GENITRON becomes SAPHYMO GmbH
July 2008 : SAPHYMO transferred to a new investment group, comprising ACE management, Edmond de Rothschild Investment Partners, various Saphymo executive managers, and one of the founding shareholders.
2011 : Extension of the production facility in Thiron-Gardais

[ソース]SAPHYMO > COMPANY > Histry

フランス人の書く英語ですから、微妙なところもあるのですが、まずビックリするのが1965年。AUTOMESS! SAPHYMOの前身、BEFICがAUTOMESSの設立に関わっていたんですね。すごいことだ。

次にちょっと飛んで2002年。GENITRONが出てきました。同社および「MiniTrace」という視点から過去に何度か書いているので、記事最後の関連記事をご参照下さい。

そして1985年、SAPHYMO-STELという名前が出てきます。「IM 4175」のSRATバージョンのシリアルナンバーが1044、STELバージョンが6183。この2台だけでは明言できませんが、おそらく、SRATのほうが古いと推察できます。

上表の通り、さまざまな企業が吸収合併しながらSAPHYMOが誕生しました。表には載っていませんが、1970年代後半から1980年代前半にかけて、SRATというメーカーがSAPHYMOおよびその前身に取り込まれたのかもしれませんね。

ところで、「IM 4175」は「IM 7001」というドイツのガイガーカウンターと型番の”IM”が同じです。偶然なのかどうなのか。そして、「IM 7001」のメーカーはFAG!

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[ソース]
http://www.armyradio.com/arsc/customer/product.php?productid=1490

そして極めつきがこれ。GENITRONとFAGの関係を調べていたら、あるサイトが引っかかります。そのサイトの名は「ガイガーカウンターカタログ」www そして、そのページにあった画像が…。

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「MIRA-661」というガイガーカウンターの裏に、なんと、GENITRONとFAGの名前が並んでいます! 気付かなかった!w 話がとっちらかってわかりづらいですよね。私もわけわかんなくなってきましたw そこで、図にしてみました。

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自分で作っといてなんですが、わかりやすっ!w そして、この図からふたつのことがわかります。

1.TFS系はやはり「FH-40H」の亡霊に取り憑かれている

2.放射線測定器という観点で言えば、SAPHYMOはイコールGENITRON。GENITRONこそがSAPHYMO

AUTOMESS製をはじめ、多くのドイツ製ガイガーカウンターが「FH-40H」の影響を受け、その面影を残しています。そんなドイツにあって、一見、GENITRONは独自路線を行っているように見えます。さっぱりとしたデザインはどちらかというとフィンランド(RADOS)、ロシア(SNIIP AUNIS)を匂わせますし。

しかし、それでもやはり、MiniTraceシリーズとRadEyeシリーズは似ています。MiniTraceには、とんでもなく豊富な機能が詰め込まれています。その詰め込みっぷりがRadEye的、ドイツ的律義さを感じさせるのです。なんだろうなあ。チベットやアンデスの人たちと日本人の顔つきが似ているとか、そんな感じ?

SAPHYMOとThermo Fisher Scientific。何の関係もないと思われているふたつの企業が、「MIRA-661」という誰も知らないガイガーカウンターでニアミスしていた。まったく異なると思われているふたつのシリーズが、DNAレベルでは実は似ていた。

--そんな長い長いお話でした。

【関連過去記事】
「MiniTrace (β) CSDF」の詳細がわかりました
Thermo Fisher Scientificの歴史を見てみると「RadEye」の背後に「FH-40H」の亡霊がうっすらと
”内”も”外”も一緒くた&組み立てるという発想はドイツっぽい?w~Frieseke & Höpfner「FH-40H / T」

サフィーモ。サーモ。名前も…w
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