2013/09/19

Polimaster創成期の話から始まる、PM1208MとPM1603A/Bの話

関連ワード:コラム , Polimaster , 集めてみた , history ,
gc_692.jpg

なんとなく似てませんか?

左はメーカー不明の「Master-1」、右はPolimasterの「PM1203M」。

ん?

マスターワン、ポリマスター…。

外観だけではなく、機種名とメーカー名まで似てますw

単なる冗談だと思ったアナタ。甘い!w

In response to the Chernobyl Nuclear Power plant disaster in 1986, the first personal electronic pocket-size dosimeter was designed by Alexander Antonovsky. “Master-1” was much smaller than any other direct reading dosimeter available on the market at that time. Over 1 000 000 of dosimeters were sold. Since 1992 Master-1 was produced under POLIMASTER brand.

[ソース]Polimaster:POLIMASTER brand

どうですか? 冗談とは思えないつながりじゃないですか?w

チェルノブイリ事故を受けて、1986年に開発された「Master-1」。同機の開発者・Alexander Antonovskyが中心となり、1992年、Polimasterが設立されます。と同時に、「Master-1」はPolimasterブランドとなります。

「Master-1」の開発者が新社名をPolimasterとしました。まったく関係のない話ではないでしょう。また、その後、同社が製造することになる「PM1203M」が「Master-1」の面影を背負っていてもなんら不思議はありません。ね、冗談じゃなかったでしょ?w

gc_693.jpg そんなこんなで始まったPolimasterの歴史ですが、設立の2年後、1994年にはとんでもない放射線測定器を新開発します。腕時計型の「PM1204」です。そして、この「PM1204」は後年、「PM1208」「PM1208M」というガイガーカウンターに発展していきます(「PM1208」は製造中止になっています)。

なお、Polimasterが設立された1992年という年は、放射線測定器にとってとても、いや、一番重要な年でもあります。”ICRU 1992”ですね。これにより実用量が定義され、現在市販されているほとんどの放射線測定器はこれに従っています。

ところで、新機種(?)「PM1605」についてまとめていた時に、ふと思ったのですが、「PM16・・・」という製品は、1603、1605、1610、1621とあるわけですが(さらに細かくモデルが分かれています)、不思議なことに、1603だけがH(10)、すなわちサーベイメーターです。他はHp(10)の個人線量計です。

ベラルーシ含めロシア系では”dosimeter問題”というものがあるのですが、しかし、じゃあ積算できる機種はすべて「PM16・・・」かと言うとそうでもない。「PM1203M」「PM1208M」は積算も可能なサーベイメーターです。だったら「PM1208M」と「PM1603A/B」は何が違うんだと。なぜ品番の数字が異なるんだと。


ここで思い出したいのが「PM1604A/B」。1603はサーベイメーター、1604は個人線量計ですが、公式サイトに掲載されている両者のスペック表上の違いは校正基準だけ。他には腕時計になっているかどうかという違いしかありません。

単位にも注目です。「PM1208M」の積算はmSvです。一方、「PM1603A/B」の積算の単位はμSvです。積算に関しては、後者の方が下限が低く、解像度が高いです。

また、「PM1603A/B」にはエネルギー補償がありますが、「PM1208M」にはエネルギー補償に関してはサイト上にもマニュアルにも明記されていません。もうひとつ、「PM1603A/B」のマニュアルには方向特性(anisotropy)のことが詳しく記されていますが、「PM1208M」には記されていません。

最後に、マニュアルのタイトルを並べてみます。

WRIST GAMMA INDICATOR PM1208M
WRIST GAMMA DOSIMETER PM1603A(PM1603B)

”dosimeter問題”があるとはいえ、前者はindicator、後者はdosimeterです。同じH(10)のサーベイメーターなのに言い方が異なっています。

これだけの状況証拠がそろい、私が導いた結論は…

「PM1208M」も「PM1603A/B」もH(10)のサーベイメーターであることは間違いない。ただ、相対的な話ではありますが、「PM1208M」はサーベイメーター的性格が強く、「PM1603A/B」は個人線量計的性格が強い。

ということです。もう少し具体的な利用シーンに寄せて言うならば、

その場の放射線量率をパッと知りたいだけなら「PM1208M」、積算(周辺線量当量の積算)もある程度ちゃんと見たいという場合は「PM1603A/B」を選ぶといいかも?

どうでしょ?w

現在、「PM1208M」と「PM1603A/B」は相場がほぼ同じです。同じならスペックのいい「PM1603A/B」を選んだほうがいいんじゃね?となんとなく言ってきましたが、素人の浅知恵でしたね。何気に奥が深いと思い知らされましたw

そういえば、妊婦さん等に貸し出すための「PM1208M」がPolimasterから相馬市に寄贈されました。なるほどねぇ。なぜ「PM1603A/B」ではなく「PM1208M」なのか、わかるような気がします。

「個人線量計は自治体から配られてたりするんでしょ? 妊婦さんはなるべく危険な場所に近づかない方がいい。だから、PM1208Mをどうぞ。私も妊娠中はもちろん、いつもPM1208Mを腕につけてるんですよ~」(by アントナウスカヤ会長)

てな感じかな?w



にしても、1603と1604。見た目もスペックも同じなのに校正基準が異なるってのは…面白いですね。ちょっと話は逸れますが、富士電機の「Dose e」も思い出しました。まあ、このあたりのことはまた追って。

あー最後にもうひとつだけ。1603と1604のマニュアルを読み比べるとメチャクチャ面白いですよw
2013.10.24追記

「MASTER-1」のPolimaster版と思われる機種を見つけました。「PDM-2」です。

gc_698.jpg

マニュアルには「PM-1102」とも書かれています。

gc_699.jpg

「MASTER-1」は「RADIATION DOSE METER」、「PDM-2(PM-1102)」は「Personal Dose Meter」。両者の表記が異なっている点も非常に興味深いです。

[参考サイト]
http://www.ebay.com/itm/Polimaster-PDM2-Personal-gamma-dose-meter-Geiger-counter-SBM-20-dosimeter-NOS-/221303487769
http://baraholka.onliner.by/viewtopic.php?t=7010643
http://guns.allzip.org/topic/275/1234509.html
関連記事

コメント

非公開コメント



rss001.gif twitter001.gif fb001.png Google+