2012/12/07

放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2012 in Japan

関連ワード:コラム , Inspector , エアカウンター , TERRA , デザイン ,
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放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2012 in Japan


Inspector PLUS / Inspector Alert

gc_650.jpg 相変わらず線量の高い地域。局所的に線量の高いスポットが見つかる地域。もう心配のない地域。

いまでも放射線の脅威にさらされている人。もう大丈夫と安心している人。本当はまだまだ安心できないのに安心している人。本当はもう不安に思うこともないのに不安に思っている人。

この1年は地域に、人の気持ちに大きく差が出はじめた年だったように感じます。このような状況が放射線測定器の選択にも影響を与えました。万能型のTERRAは相変わらず人気のようですが、空間線量を測りたいからこれ、地表の汚染を測りたいからこれと、ニーズに合わせた放射線測定器が選ばれるようになります。

それを一番よく表しているのが「Inspector PLUS / Inspector Alert」(以下、「Inspector」)です。いまだ放射線汚染に苛まれている地域。空間線量は廉価製品の「エアカウンターS」や「RADEX RD1503」でわかった、あとは表面汚染を細かく調べたいという人。そんな地域、人に「Inspector」が多く求められ、また大いに役立ったことと思われます。

ガイガーカウンターという観点で言うなら、パンケーキとは何なのか、パンケーキの特性はどういうものなのかを教えてくれ、ひいてはガイガーカウンターとは何なのか、検出器の種類によってどのような差があるのか、どう使い分ければいいか、Svとは何なのか、なんてことにも考えを赴かせてくれました。

単純に売れた数でいうなら、「エアカウンターS」「TERRA MKS-05」「RADEX RD1503」などのほうが上でしょう。しかし、この2012年という年における放射線、放射線測定を象徴する存在として、「Inspector」を”放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2012 in Japan”に選ばせて頂きました。

■各賞

よく売れたで賞


エアカウンターS

2012年2月に販売が開始されたエステーの半導体式放射線測定器「エアカウンターS」。多くの人に優しく放射線/放射線測定/放射線測定器のことを教えてくれました。独特な親しみやすいフォルム、5,000円前後というとんでもないロープライスも衝撃を与えました。その功績が大きいことは事実ですし、それを賞したい気持ちも山々です。

が、しかし。個人的にどうも好きになれないw 本来なら”放射線測定器 オブ・ザ・イヤー”最有力の存在ですが、私の好み、独断と偏見で、客観的事実のみを表している”よく売れたで賞”とさせて頂きます。個人の趣味のブログですからね。恣意たっぷり、偏り満載なんですw

コストパフォーマンス賞


TERRA-P

2012年後半あたりから、1万円を切るような価格でも売られだした「TERRA-P」。ようやくSOEKS、1503と同じ舞台に上がりました。

見た目のポップさ、6000時間という電池の持ち、線量率・積算線量のみというわかりやすさ、GM管を露呈させられるおまけ、これだけそろってこの価格。コスパという意味では最強の機種ではないでしょうか。

萌え賞


RadEye B20

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RadEye B20
Thermo Fisher Scientific
207,900円
多機能。高性能。そんなことすら吹っ飛ばす、見ているだけでうっとりさせるこのフォルム。いつまでも見ていたい。いつでもそばに置いておきたい。一度は手に触れてみたい。強烈にそう思わせます。

冗談を言っているように思われるかもしれませんが、私はいたってまじめです。そして、これこそが一番重要なことだとすら思っています。製品とは長く使われてなんぼです。そして、長く使われるためには、それだけ愛着を持ってもらわなければいけません。そういう意味でデザインはとても重要です。

たかがデザイン。されどデザイン。デザインのよさとは見た目だけの問題じゃないんです。さらに暴論ですが、デザインがよければ性能もいいというのが、数百機種の放射線測定器を見てきた私の持論です。性能もなにもよくわからないような日本生まれの放射線測定器は、目も当てられないようなデザインのものばかり。これがその証左です。

■その他、目立った機種たち

PM1703Mシリーズ

二台目のミドル~ハイエンドモデルとして、PM1703Mシリーズが人気を博しました。特によく見かけたのは「PM1703M」の直系上位「PM1703MA」、シンチ&GM管というダブルセンサーの「PM1703MO-1」。

各正規代理店のおかげで、価格も手ごろになり入手しやすくなったというのもその一因でしょう。しかし、局所的な汚染、いわゆるホットスポットを探したいというニーズの高まりが、これらの人気を押し上げた最大の要因だったと思います。そういう意味では「Inspector」と共に今年を象徴する重要なシリーズではないでしょうか。

RADEX RD1008 / RADEX RD1706

一時、1008は3万円台、1706は1万円台と非常に手頃な価格で入手できるようになりました。そのため二台目としてはもちろん、一台目のエントリーモデルとしても買い求められたようです。1008の在庫がまったくなくなり、現在はほぼ入手不可能という状況は、その人気ぶりを物語っています。

形状(種類)は違いますが、両者とも2本のGM管を有しています。しかし、その意義はまったく異なります。ただ、あえて共通点を見い出すならスピードが挙げられるでしょう。1008においてはサーチモード、1706においては1503の約半分という測定時間が両機種の特徴です。

■総評

売れているのかどうかは知りませんがw、LUDLUMも手頃な価格になりました。青歯テラも時に3万円台前半となりました。Inspectorもタイミングがよければ4万円台前半で購入できました。全般的にグッと価格が下がり、結果、ミドルエンド~ハイエンドモデルががんばった1年だったように感じます。

当サイトではあまり大きくは取り上げていませんが、ベクレルモニタ、エリアモニタ、RPMも各国メーカーからさまざまリリースされたというのも印象的です。

日本製でもっとも気になったのはリガクの「Get Smart」です。3.11後の日本製サーベイメーターは泣きたくなるようなひどい代物ばかりだったのですが、これは胸を張って世界に紹介できる機種だと思います。高いですけどねw

放射線への関心が薄まりつつあります。線量がグッと下がってとりあえずひと安心という地域も増えていることでしょう。そして、1万円以下で放射線測定器が買える時代です。需要や製造コスト等のことを考えると、来年以降、新機種はなかなか生まれにくいだろうなぁ、放射線測定器的には今年がピークだったと後年振り返ることになるんじゃないだろうか、そんな思いにも至り、放射線測定器好きとしては、少々寂しい気持ちにもなったり。


というわけで、年末企画第一弾でした。

[関連過去記事]
放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2011 in Japan
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コメント

非公開コメント

測定器重要のピークが過ぎたと思いたい

本来はそれが一番だと思います。
ただ、今月の選挙結果いかんでは、来年以降徐々に原発が再稼働してくるかもしれません。
となると地震の活動期に入ったと言われる日本で、再び福島が再現される可能性は、ないとは言い切れなくなります。
そうなれば今度はさらに測定器がブームになるのかもしれません。
でもその前に日本がもたないかもしれませんが


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