感傷的なガイガーカウンター~HAYS ELECTRONICSというちっぽけなメーカーのちょっとした話

2012年11月07日
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HGC-Ⅰ

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HGC-Ⅱ

Yahoo!オークションの「官公庁オークション」で見かけたガイガーカウンターです。プローブなしのモデルが「HGC-Ⅰ」、プローブありが「HGC-Ⅱ」です。出品者は日本年金機構。年金の徴収か何かで差し押さえでもあったんでしょうかね。こういう形での出品は珍しいような。

メーカーはHAYS ELECTRONICS。1952年創設のアリゾナ州のメーカーなんですが、同社の歴史は2011年ごろでパタッと途絶えます。ドメイン「www.hayselectronics.com」も実質的には2011年までしか同社に使われていなかったようです。

追記:「HGC-Ⅰ」の画像を見つけたので追加します。

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同社のことに関して調べていますと、こんな情報もありました。

08-15-2012
Bill was sick for a while there a few months ago.

[ソース]Bill Hays Electronics are NO MORE?

BillはHAYSの社長さんです。というか、HAYSも名前なんですけどね。Bill J.HAYSという名前らしいです。52年の設立当時、仮に20歳だとしたら80歳、30歳だとしたら90歳です。そして、上記フォーラムのもろもろの書き込みから想像するに、社長さんが営業もカスタマーケアもこなして、って感じなんでしょう。非常に小さなメーカーであることは確かなようです。そして、社長の名前を冠するようなメーカーで、その社長が倒れたとなると、メーカーの行く末は…。

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[画像転載元]TreasureNet
※「HAYS ELECTRONICS」はガイガーカウンター以外に金属探知機なんかも作ってます(ました)

さて、初見のガイガーカウンターを見つけた場合、まずメーカーを調べ、そして、住所を調べて、googleマップやストリートビューで見るようにしています。どんな雰囲気の街にあるかを知ることで、もしかしたら、そのガイガーカウンター(放射線測定器)の何かがわかるかもしれないからです。

今回もHAYS ELECTRONICSの住所をストリートビューで見てみました。アリゾナ州ですから砂漠のど真ん中です。ダダっぴろい国道が横たわり、道沿いにはレストランやモーテル、ガソリンスタンドなどが並んでいます。周囲に高い建物なんて一切ありません。地平線には四方に小高い山。”Prescott Valley”。まさに谷です。

こんなアメリカのド田舎で小さいながらも会社を立ち上げ、ガイガーカウンターを作っていたBill青年。その後60年、細々とビジネスを続けつつ、冷戦、チェルノブイリ、ソビエト崩壊、スリーマイル、高度成長期、そしておそらくは福島を見てきました。

そんな彼の作ったドマイナーなガイガーカウンターは日本に渡り、何の因果か公売にかけられ、そしてこんなサイトで紹介されている…。なんだか不思議な感じがします。そして、なんともそっけない、素朴なこのガイガーカウンターは、病に伏しているかもしれないおじいちゃんの人柄を表しているようで、そう思うと、まったくの赤の他人で、顔も知らないのに、彼が健在なのかどうかも気になるのです。

パッと見は正直つまらない、退屈なガイガーカウンターです。だけど、その向こうに人が見えるようで、私はそんなガイガーカウンターが(製品が)好きなんですよねぇw

ところで、はっきりとよくはわからないのですが、「HGC-Ⅱ」は2007年ごろを境にモデルチェンジします。ニューバージョンがこちら。

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筐体がスマートになりました。この黄色は「RADON-3」を彷彿とさせます。なかなかカッコイイ。じいちゃん、意外とおシャレさんなんじゃね?w

[参考サイト]
Hays Electronics Home page(by Internet Archive)
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