シンチレーション式「DC-200」(日本精密測器)が一般市場に登場~積算はいらん!w

2012年10月17日
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日本精密測器のシンチレーション式放射線測定器「DC-200」がいよいよ一般市場にお目見えしました。販売者はテクノネットSHOP

同社の放射線測定器「DC-100」とは、分解能(0.01→0.001)、PC接続の可否(不可→可 / FeliCa)などが異なります。

公式サイトには取扱説明書、データ管理ソフトウェアが誰でも無料でダウンロードできるようになっています。説明も丁寧ですし、とても親切ですね。

あえてひとつ頭をかしげる点を挙げるとするなら積算機能。まったく必要ありませんw 仮にこの機能をつけるなら、50時間という電池の持ちはいかがなものかと。なぜ積算機能をつけているのか、どう使えばいいのかが、私にはちょっと理解不能です。すごく限られた時間内、高線量地域で作業する、なんてケースでは少々役立つかもですが、そんなシーンが想定されるのは特殊な作業環境です。それに、そんな作業でしたらちゃんと個人線量計を使うべきでしょうし。

ただ、これはいちゃもんのためのいちゃもんのようなもので、使わなきゃいいだけのこと。これによって機器のリソースが無駄に使われているのはシャクに障りますが、ご愛嬌くらいに考えてあげましょうw

とりあえず、上記商品は即納で送料無料だとか。手頃価格のシンチを探してる方は、一考してみてはいかがでしょうか。

「DC-200」一覧(楽天市場)
「DC-200」一覧(Amazon)

追記:ソフトの画面を見ると、積算だけがデータ転送可?w なるほど。そうかぁ。これはちょっと…。単純に線量率データも転送せい!という話じゃなくて、なかなか複雑な問題を孕んでるような気も。後ほどまとめて追記します。一般ユーザーが普通に使う分にはぜんぜんいいんですけどね。

gc_629.gif ※実際、ソフトをインストールしてみましたが、やはり積算値のみ転送可のようです。それにしても、このアイコンのクオリティーwww

■「DC-200」はサーベイメーターなのか個人線量計なのか

”1cm線量当量”という日本特有のバカげた書き方がなされているため、はっきりとはわかりませんが、マニュアルを読む限り、空間線量用だとされているので(だから空間線量って言うな!w)、H(10)のサーベイメーターでほぼ間違いないでしょう。

gc_630.gif
※この説明自体がいかがなものかとは思いますが、とりあえずこんな感じです

■サーベイメーターにおける積算値

だとするなら、「DC-200」における積算値とは、周辺線量当量です。個人線量計により得られる個人線量当量とは違います。

だからダメだと言っているわけではありません。両者にそれほど大きな差もおそらくはないでしょう。ですが、両者(周辺線量当量と個人線量当量)がどのように違うのかは、放射線測定器を扱う上で、まず最初に知っておくべきことだというのが持論です。

■積算する意義

サーベイメーターは基本的にはその時、その場の線量率を測定し、あるいは汚染探知・探索に使用するものですから、サーベイメーターに積算機能は必要ないと私は思っています。基本的にはね。もし、積算値が知りたいなら個人線量計を使ったほうがいいと思ってます(併用とか)。

■「DC-200」の積算機能~一般ユーザー編

とはいえまあ、考え方はいろいろあるでしょうから、サーベイメーターに積算機能があってもいいですよ。個人ユースでは目安として知っておくこともまったくの無駄ではないでしょう。

ただ、「DC-200」の場合、電池寿命が50時間です。非常に短いです。少なくとも電源つけっぱなしという使い方はできません。1日8時間使うとしたら、1週間に1度、電池を交換しなきゃいけません。

マニュアル、仕様書には「1日30分で100日間」とあります。30分の積算値を日々記録していくってのに、どういう意味があるんだ!?w

つまり、一般家庭で「線量率も知りたいし、積算値も知りたい」なんて方にはこの積算機能は役不足。だったら、「TERRA-P」など電池つけっぱなしで長時間使える機種の方がいいでしょう。もし「DC-200」を使うなら、積算機能はオマケのオマケ程度。実質、ほとんど役に立たないと思われます。ま、使わなきゃいいだけですからね。この点に文句はございませんw

■「DC-200」の積算機能~事業者編

逆に「DC-200」の積算機能が有効に使われるシーンを想像してみます。

FeliCaで最大9999人のデータ(積算値)を一括管理できます。ここからもわかる通り、現場監督者(事業者)が現場作業員に、作業前に配布→作業後回収→積算値をチェック。こんな使い方が想定されます。

ただし、この”作業””事業者”ってのが法的な問題とも絡んできます。

「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」によると、「外部被ばくによる線量の測定は、一センチメートル線量当量」(だーかーらー!w 法律までこうなんだよなぁ)、「除染等業務従事者は、除染特別地域等内における除染等作業を行う場所において、放射線測定器を装着しなければならない」といった文言から、個人線量当量の1cm線量当量だと考えられます。常識的に考えてもそうですし、通達でもそう言われています(「電離放射線障害防止規則」に関してですが)。

[ソース]
東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則
労働安全衛生規則及び電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令の施行等について

ということは、同法の規定する事業者では「DC-200」はいかんということになります。なぜなら「DC-200」はH(10)だからです(おそらく!w)。

※「DC-200」による周辺線量当量の個人線量当量への換算式なんてものがもし仮にあるなら話は別です(上記通達参照)。が、そんなものがあるとは思えません。

つまり、事業者が作業者に配る目的で「DC-200」を利用するとするなら、同法の範囲外の事業者・作業ってことになります。具体的にどんな事業者でどんな作業なんだ!?w 私にはよくわかりませんが、そのような事業者・作業であればいいかもしれませんね(棒読み)。

※除染等とはまったく関係なく、たとえば事務所周りの線量を毎日、社員が持ち回りでチェックするとか? こんな程度だったら積算いらんしなぁ…。

■まとめ

・FeliCaで最大9999人という機能の利用シーンがよくわかりません
・一般家庭において、普通に”空間線量率”を測定する分にはいい機種ですね
・いずれにせよ積算機能はいらんと私は思いますw
・逆に、この積算機能が有効に働くシチュエーションをご存じでしたら教えて下さいw
・線量率データが転送できれば、まだいいのにねぇ。日々の線量率の変化を記録していけますから
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コメント一覧

809. 2012.10.18
0.01で誤差15%とは、かなりの高性能のようですね。
いままでシンチ系では10万円以上が当たり前だったことを考えると、これからはこの業界、随分と変化がある様な気がします。
それにしても残念なのが電池のもちです。
せめて1カ月くらいは電源入れっぱなしでももつようにはならないのかなあ。
でなければ積算量機能など実用的には意味をなさないと思いますから。
あと内蔵ライトなど付いていないのかな?
これがあるとなにかと便利なのにね。
ちなみに法律の問題、じつは内閣法制局もよくわかっていない様な気がします。
でももしかして法文を曖昧にしておいて通達で誤魔化す(裁量行政)。
そうしておけばあとで通達をこっそりと変えれば・・・なんてことやりかねないからなあ。
この国では法律は大概おおざっぱにしておくのがやり方みたいですから。
みんな曖昧で阿吽の呼吸w
で事故が起こるわけです。
810. 2012.10.18
どれくらいのシンチサイズなんですかねぇ。指示誤差に関しては、相当な高線量率での指示誤差でしょうから(10μSv/hとか?)、これをもってどうこうとは言いづらく(^^;

バックライトつけちゃうと、さらに電池がw 廉価版シンチって電池持たないのが多いのですが、シンチだと電池食うのかなぁと思ったりも。

電池つけっぱで使えるなら、それはそれでいい。電池が持たないなら、それはそれでいい。なのに、電池つけっぱにできないわ、積算あるわってのが、妙なバランスですね(^^;

本文にも記しましたが、普通に毎日、ちょっと測定してみる、なんて使い方であればまったく問題なく使えるいい機種だとは思うんですけどねぇ。

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