2012/09/25

秋田でラジウム発見のニュースから始まる、日本製RPM、ガリバーの放射線測定器といったネタ

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管理下にない放射性同位元素の発見について(秋田市総合環境センター)
2012年08月29日 第1報

平成24年6月7日(木曜日)に秋田市から文部科学省に対し、株式会社秋田臨港が秋田市総合環境センターから購入した金属スクラップから、放射性同位元素が発見された旨の連絡がありました。本日、当該放射性同位元素(ラジウム226・140メガベクレル)が同センターから専門業者に引き渡されました。なお、本件による放射線障害のおそれはありません。

[ソース]文部科学省

よく読んでもイマイチ状況が理解できないのは、最近のオシャレな呼び方のせいですw

簡単に言いますと、スクラップ業者がゴミ処理場から金属スクラップを買ったら、そこにラジウムがあった、ということです。リンク先に詳細が記されていますが、核種はラジウム226で放射能は140メガベクレル。「容器から1メートル離れた場所で2.05マイクロシーベルト毎時、容器表面で最大48.86マイクロシーベルト毎時であった」そうです。秋田市総合環境センターは災害廃棄物の処理もしているのですが、このラジウム容器がどこからやってきたのかは不明です。

思うところはもろもろあるのですが、このできごとを聞いて、こんなニュースを思い出しました。

田中衡機、貨物の放射線量と重量を同時測定

はかりを製造する田中衡機工業所(三条市、田中康之社長)などはトラックの荷台に載せた貨物の放射線量と重量を同時に測定する装置を開発した。東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響で、トラックで運ぶがれきや金属スクラップなどの放射線量を測定する需要が高まっている。早ければ10月にも機器と組み合わせたシステムとして自治体やスクラップ事業者へ発売する。

[ソース]日本経済新聞

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[ソース]TANAKA:放射線モニター付トラックスケール

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[ソース]テック・デル:放射線検知器<スクラップモニター>

「TDR-36D」という放射線検知器で、そもそもの開発はテック・デル。これを製品化し販売しているのが田中衡機工業所だと思われます。プラスチックシンチレーター&光電子倍増管(有効面積:3600cm^2×2面×2)で、「10μCiのCs137を2mの距離で検出可能。4面それぞれの検知器による放射線検知に加えて4面の検出器を合計した大面積検知器として、統計 動を1面検知に比べて1/2に圧縮し0.0085μSv/hを検出可能(微量検出レベル)」とのこと(原文ママ。ちょっと文章がおかしいですね)。

海外ではこのような類の放射線測定器・検知器を”radiation portal monitor(RPM)”と呼びます。さまざまなメーカーからリリースされていますし、特に珍しいものではありません(ポリマスもMTもRAEもどこでも出してます)。

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日本では東芝、日立といった原発に従事しているメーカーが開発をしてるかもしれません。確か富士電機にはあったような…。ちょっと記憶が定かではありません。ただ、福島原発事故以降、日本のメーカーでRPMを開発したというニュースを見た記憶はないんですよねぇ。そういう意味では面白いですね。

ただ、いくつかの理由で、日本での運用はなかなか難しいと言いますか。

港湾で利用するというのはわかりやすいですし、それなりの効果もあるでしょう。設置もしやすいですしね。もしかしたら、実際に設置し始めたところもあるかもしれません。ただ、汚染地域付近となると…。

まず、これだけ道路網が発達した日本だと、いったいどれほど設置しなきゃいけないんだという問題。次にバックグランドとの兼ね合いもあるでしょうから、どのあたりに設置するのがいいのかという問題。そして一番大きいのは、本当に知りたいのか、調べる気があるのかという点。先のニュースを見ますと、試験で出なけりゃハイオッケー。なんでしょうね。

確かに大変だとは思うんです。大量にゴミが集まりゃ、原発云々関係なくても、何がやってくるかわからないわけです(あのラジウムが災害地域からやって来たのかどうかはわかりません)。それをすべて完ぺきにチェックするというのは困難です。そして、有害なのは放射線だけじゃない。調べなきゃいけないことは山のようにあるでしょう。

が。それでも。

んなことは、海外ではとっくに経験済みなんですよね。誰だって放射線・放射能の拡散は防ぎたい。だけど、やれることには限界がある。人的にも設備的にも経済的にも。そこで、効率よくどうやって危険を察知するかというさまざまな工夫を凝らしています。そんなことをほんの少し紹介した過去記事がこちらです。

"NORM"と"INNOCENT ALARMS"とRadEye PRD

むやみやたらとRPMをバンバン立てりゃいいってわけじゃない。かといって、大規模処理施設でアロカサーベイメーターをかざしていてもキリがない。じゃあどうすればいいのか、なんてレポートが海外にはいくつもあります。その代表例が上記記事でも紹介しているこちらの文献です。

Illicit Nuclear Trafficking: Collective Experience and the Way Forward
※文章最後の「Full Text」を右クリ保存がいいと思います

2007年の文献ですから、現在ではもっと進んでいるはず。さて、日本では…。何をしてるのでしょうか。中小メーカーがこういう装置を開発したという記事が目立つようでは、おそらく遅れているんでしょうね。想像ですが。

最後にもうひとつ。

「放射線測定やってます」だけでは情報じゃないんです、ガリバーさん

という記事を過去に書いたのですが、そのガリバーがどうやって測定しているかがわかりました。

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[ソース]ガリバー店舗ブログ:小倉曽根バイパス店ブログ

これは中国製の放射線測定器「REN200」です。おそらくはサーベイメーターだと思われます。SW83A系統です。中国製だからどうこうと言うつもりはありません。もちろん、全国の店舗に配備するとなるとそれなりに廉価なものになってしまうのも致し方ないんですが、ちょーーー欲を言えば、パンケーキプローブがいいんですけどねぇ。タイヤ周りとか、いちいちかがんで測っていては大変ですよ(^^;

というわけで、株式会社秋田臨港はどんな測定器で検知したんだ!?という記事でした(ぇ

[関連過去記事]
各国の輸入に関する放射線検査・規制(国交省資料)を見てみた
失われた地から福島へ。「Lost Places」の中の人がやってきた
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