2012/09/22

浪江町のガイガーカウンター その10 ~TERRA-N誕生の背景に隠された”真相”

関連ワード:コラム , 浪江町のガイガーカウンター , 入札 , 突撃レポ ,
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2012年9月某日、Sparing-Vist Center(以下、ECOTEST)の正規輸入販売元である株式会社アンビエントからメールが来ました。

「浪江町の件に関して、ぜひお話したいことがある」

そんな内容です。そして数日後、同社にうかがい話を聞きました。知らなかったさまざまなことがわかりました。浪江町役場、議会のデタラメっぷりに、改めて呆れかえりました。

「当事者一方の話だけを聞いてデタラメって、よく決めつけられるな!」

いえ、ちゃんとしっかりとしたソースもあります。後に紹介します。

2013.05.01追記:先日からヤフオクで安く大量出品されるようになりました。
ヤフオク:「TERRA-N」

■時系列

※以下に記した浪江町関連リンクですが、浪江町ホームページが変わったため、ほとんどがリンク切れとなってしまいました。公告関連資料は当サイトの「放射線測定器関連資料室」をご参照下さい。

2月13日 一回目の入札公告
[ソース]浪江町公式HP:入札公告 ○放射線・放射能測定電子式線量計購入
2月21日 安積医科器械株式会社(あさかいかきき)入札参加申請提出
2月29日 開札
落札者:安積医科器械
製品名:TERRA-N(Sparing-Vist Center / 輸入元:アンビエント)
3月9日 浪江町議会3月定例会にて「物品購入契約の締結について(電子式線量計購入)」否決
[ソース]浪江町公式HP:平成24年浪江町議会3月定例会の結果について
同日18時、アンビエントは電話にて否決されたことを聞く。後日、「落札した業者が入札時に提出した物品仕様書の製品名に脱字が」と新聞発表(朝日新聞)
4月27日 二回目の入札公告
[ソース]浪江町公式HP:公告 | 仕様書 | 説明書
※すべてPDF
5月8日 安積医科器械入札参加申請提出
5月15日 開札
落札者:株式会社草野測器社(落札金額:152,658,000円)
製品名:精密博士(β)(JBジャパン・ブランド)
[ソース]浪江町公式HP:平成24年5月 入札結果
5月21日 浪江町議会第4回臨時会にて「物品購入契約の締結について(放射能・放射線測定器購入)」可決
[ソース]浪江町公式HP:平成24年浪江町議会第4回臨時会(5月)の結果について

■仕様書に関する浪江町役場のミスから生まれたTERRA-N

当サイトでも「おかしい」と指摘させて頂いていましたが、ことの真相が判明しました。

仕様書で求められた実質的な性能は「TERRA MKS-05」(黒テラ)です。黒テラ以外にありえません。ですが同時に、こんな文言も付せられていました。

ECOTEST TERRA-P MKS-05 と同等以上であり,下記の仕様を満たすこと。

この「下記の仕様」が黒テラなんですが、明らかに矛盾したことを言っています。「TERRA-P MKS-05 と同等以上」と言いつつ、「下記の仕様」は「TERRA MKS-05」(黒テラ)なんですから。これがつまりは浪江町役場のミスだったのです(どちらが本来の要求だったかは定かではありませんが)。

※「TERRA-P MKS-05」は通称”黄テラ”

これに疑問を感じ、アンビエントは問い合わせたそうです。おかしいぞと。仕様を修正してくれと。しかし、浪江町役場は「一度公告したものだから取り下げられない」と言ったそうです。

そこでアンビエントはECOTESTと話し合います。黒テラではコストがかかりすぎる。黄テラ+では仕様を満たさない。じゃあ、浪江町用に新たなモデルを作ろう、と。これがTERRA-Nです。

放射線量-放射線量率計
TERRA-N MKS-05

お年寄りでも扱いやすいよう、本体表記を日本語にしました。仕様に合うよう誤差も少なくしました。結果、線量率範囲だけが異なる、実質的に黒テラとほぼ同じ”浪江テラ”つまりTERRA-Nができあがりました。

なお、浪江町が公開した一回目の入札に関するもろもろの資料は現在、ネット上では閲覧できません。

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■仮契約段階で納品を急がせた浪江町役場

開札が行われ、安積医科器械が落札者となりました(競合に関しては後述)。その場で浪江町役場、安積医科器械、双方の担当者による打ち合わせの場が設けられ、仮契約書を取り交わすとともに、「23年度予算なので早急に納入してほしい」との要望を口頭で受けたそうです(要望があったということに関する証拠はありません)。

いずれにせよ、ここまでは提出した書類に関しても、役場からは何の異議もありませんでした。

この結果を受け、アンビエントはさっそくECOTESTに発注をかけます。ECOTESTは福島県に数千台もの放射線測定器を無償で寄贈してくれていました。そんな同社にとっては、善意での寄贈だったとはいえ、ビジネスにもつながったわけですし、大変喜んだそうです。

■あまりにもバカバカしい某町議の発言とそれを鵜呑みにした議会

私の手元に議事録があります。おそらく、この議事録は要請すればどなたでも入手可能だと思われます。以下は、議事録に記された某町議の発言です。

議案第4号についてのいろいろな入札の経緯についてただしたいということで、午前中、全員協議会で質疑のやりとりがありました。いくつかの問題が出たわけですが、町の納品指定に近い希望としてはMKS-05だったということであります。これは国産の線量計であります(※GCC註:原文ママ)。今回の契約書に出てきている物品については、入札物品仕様書ではMKS-05 TERRA-Nという仕様書になっていながら、落札した安積医科器械株式会社の入札書を見ますと、規格のところにはECOTEST TERRA-Nということで、MKS-05は入っておりません。したがって、仕様書と入札書における規格において、まったく違うものになっているのではないかと考えざるを得ない。この点についてどうなるのかということです。

それからいま1つは、安積医科器械株式会社で納品をしようとしているTERRA-Nというのは、全員協議会での説明では限りなくMKS-05に近いと。その物品については確認しているのか。しかも誤差の補正についても、重大な食い違いがあるのではないかという問題が浮き彫りになっている。この点ではどういうことになっているのか。

それから、安積医科器械株式会社が納品しようとしているTERRA-Nについては、ある情報によればMKS-05という問題のないといいますか、性能の高い機器そのものがないために、いろいろいいとこどりで、ニコイチというのだそうだけれども、わかりやすく言うと改造品みたいなのを納めるという問題があるのではないかという情報提供があったわけであります。

一方では、MKS-05という国産の品物だと見せかけながら、実際はウクライナの製品を納めようとしているのではないかという問題と疑問が浮かび上がってきたわけですが、どっちもウクライナ製で、今回、納品しようとしているものについては寄せ集めの改造品ではないかという問題が指摘されているのですが、そういうことについては検証、確認ができているのかどうか。問題がないと。いわゆる線量計という精密機械であるわけですけれども、いろいろ言われている寄せ集めして、改造品的な品物を契約することになるのではないかという問題があるわけですが、そのことについては、どうなのかということについてお尋ねしたいと思います。

この後、浪江町役場担当者と某町議のやり取りが続きます。バカバカしくてツッコむ気にもなれないのですが、でも、気力を振り絞り、ツッコんでみます。

まず、TERRAが「国産の線量計」だとか、「国産の品物だと見せかけながら」というのは、なんなんですかね。誰がそう言ったんですか? なに情報ですか? 紛れもなく、ウソ偽りなく、ハナっから正真正銘のウクライナ製です。そして、入札において、原産国は問われていません。ウクライナ製だろうがロシア製だろうがアメリカ製だろうが日本製だろうが構わないわけです。

次に、再三出てくる「MKS-05」ですが、TERRAシリーズはすべて「MKS-05」です。黒テラも黄テラも青歯テラも、そしてこのTERRA-Nも、すべてMKS-05です。さらに、この「MKS-05」が書かれていなかったということをもって否決されたとすると、常軌を逸してます。百歩譲って表記に齟齬があったとしても、常識的に考えて許容内じゃないです? これすらもダメ? 実際上、「MKS-05」なんてものはどうだっていいわけです。なぜなら、黒も黄色も緑も「MKS-05」なんですから。仮契約を反故にするほど重要なことなんですか? 「MKS-05」の欠落は。

また、「ニコイチ」「改造品」についてですが、これはとばっちりもいいところ。浪江町役場がミスをした。そのミスを訂正しないもんだから、仕方なくそれに合わせて開発した。しかも、黄テラ+より誤差が少ない改”良”です。黒テラとほぼ同スペックなのに、黒テラよりも安いんです。ありがたい話です。で? 何が問題? 改造だとしてそれがどうしてダメ? ニコイチだったとして何が悪い?

これに関して某町議は後ほどこんなことも述べます。

改造品という問題はないのかということについては問題ないと。しかし現物は確認していないという答弁に至っては、これは何をもってして、問題はないという結論を出したのかということにならざるを得ないわけです。

要は、現物を調べなきゃわからんだろうと。

ほぅ。

あるいはこんなセリフも。

線量計については1品ごとに検査証がついているわけです。現時点では、品物がないと。町としてはMKS-05同等以上のものを求めたという、先方を信頼するということだけで確認するすべはない。

なるほどなるほど。一理あります。私もある意味、そう思わなくはありません。これは一般競争入札です。確かに、何が出てくるかわかったものじゃありません。しかも、人の健康や命に関わるかもしれないような機器に関する入札です。「言ったもの勝ち」ではなく、ある程度、実機を見てみる、あるいはそこまでできないならば、信頼できる第三者機関による検査証明書の提出を義務付ける。こういうことがあってもいいだろうと思います。しかし、浪江町は入札においてそんなものは求めていませんでした。単に「検査証」という曖昧なものだけを提出させようとしていました。

どうあるべきかというのは考え方次第。そして、入札業者にとっては関係のないこと。入札条件を満たすべく、粛々とことを運べばいいだけです。そして、実機の提出は条件ではありませんでしたから、安積医科器械およびアンビエントにとってみれば、なんの不備もありませんでした。そして実際、仮契約が結ばれた時点においても、両者は浪江町からなんの異議も受けていません。

にも関わらず、こんなことを言われるのは、ある意味で”後出しジャンケン”。

「いやいや。だったら最初から言ってくれよ。言ってくれてたら実機も提出してたって。好きなように検査してくれよ。だけど、そんなことひと言も言ってなかったじゃん!」

誰しもがこう思うはずです。

さらに。後述しますが、これってどの機種に対しても言えることですよねぇ。さて、二回目の落札者に対して、同様のことを要求したでしょうか。どうだったんでしょうねぇ。楽しみですねぇ。

某町議のトンデモ発言はこの後も続き、結果、賛成少数で否決、すなわち、納入(仮)契約はご破算となったのです。

ちなみに、安積医科器械とアンビエントは再議を要請するも、まったく聞き入れてもらえなかったそうです。

※追記:この某町議の発言は、これら以外でも、というか終始全部、とにかくメチャクチャ。読み返せば読み返すほど、腹が立ってきます(^^; 機会を見つけて、他の部分も当記事への追記という形で紹介してみたいと思います

■二回目入札から可決までの茶番

この後、再入札となるわけですが、よく考えてみて下さい。一回目の落札者が、何をいくらで落札したかが、公にされているんです。その上で再入札って…。手の内バレバレ。もはや安積医科器械とアンビエントにとっては入札とは言えない状況です。

しかも、仕様が変更になります。前回よりも緩和されました。せっかく浪江町役場のミスをカバーするべく、無茶な要求に応えてあげていたのに。

結果はご存じの通り、株式会社草野測器社が落札し、JBジャパン・ブランドの「精密博士(β)」が採用されます。しかし、この段階ではまだ仮契約です。議会には怖い怖い某先生が待っておられます。「精密博士(β)」もいろいろと言われていますからねぇ。すごい追及がなされるんでしょうねぇ。

と思いきや…全会一致でサクっと可決。

ズコッ

「本当に仕様通りに動作するのか調べなかったのか!」「この合格証というヤツは、どこの誰が何に関して発行したもんなんだ!」「これはもともとどこ製だ!?」「JB4020は個人線量計と聞いているぞ!本当にサーベイメーターなのか!」「精密博士というネーミングはどうなんだ!これは測定器であって博士じゃないぞ!」「で、どこで売られているんだ? いつからリリースされているんだ?」「精密博士と書かれているが、精密博士(β)じゃないのか?」「精密博士だとしたら、他にも同名のガイガーカウンターがあるじゃないか! どうなってるんだ! これが同じものなのか違うものなのか、メーカーの言を信用するしかないなんておかしいだろ!」

こういうこと言わなかったの? TERRA-Nにはあんなに厳しくて、なんで精密博士(β)はスルーなの? TERRA-Nでは都合が悪いの? 精密博士を採用するとなんかいいことあるの?

あまりにもバカバカしいので、だんだん書き方がおちゃらけて来ましたw

※正式名称が「精密博士」なのか「精密博士(β)」なのか、私にもわかりません。なぜなら、公式サイトの表記と本体表記が異なるからです。ここではγ線のみ対応の「精密博士」と区別するため、浪江町で配布されたモデルを便宜的に「精密博士(β)」と書きました

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■精密博士(β)は検査不可能!?

もともとは中国メーカーが製造・開発した個人線量計「JB4020」をそれこそ改造して「精密博士(β)」にしたんですよね。某町議の大好きな改造です。そして、どこの国の製造か興味ないんですかね。福島県製って言ってますけど、景品表示法的に大丈夫なんでしょうかね。私は知りませんよ。知りませんが、気にはなります。だけど、議会ではスルー。誰も気にならないのか。

gc_439.jpg 次に検査証。「精密博士(β)」にはどこの誰だかわからない人物の印鑑がポンと押された、誰が何に対して与えたかわからない「合格証」なるものが付属しています。これが検査証? わかった! 放射線測定器の納入に検査証が必要だって方は、今度から私あてにご連絡を。印鑑押してあげます! 少なくとも浪江町では通用する検査証を発行できます! ふるってご応募を!

ちなみにですが、アンビエントでは「精密博士(β)」配布後、同機を某放射線関連協会に持ち込み、検査してもらおうとしたそうです。そうしたら驚きの事実が。

その某放射線関連協会(最大手!)いわく、

「照射位置がわからないから検査できない」

さらに、こんなこともおっしゃったようです。

「ちょうど先日、JBジャパン・ブランドさんも持って来られましたよ」

あれ? 配布されて約1週間経ってるんですけど…。今になって検査ですか?? そして結果はどうだったんでしょうかね。

■その他、細々としたこと~これは被災地云々の問題じゃない

一回目の入札に際し、安積医科器械以外にもう一社、入札に参加していたようです。企業名は東日本電子計測株式会社。そして、ここに放射線測定器を卸そうとしていたのが、ECOTESTの正規代理店ではない日本測定株式会社(代表:片岡暁伸氏)だったようです。なお、ECOTESTによると、この日本測定に対しては、これまで同社製品を卸した実績は一度たりともないとか。

次に、3月9日、議会にて安積医科器械&アンビエントとの契約が否決されたわけですが、その翌日、ECOTEST幹部(代表含む)が来日します。後日、東北等でフォーラムがあり、そのために来日したわけですが、これは前々から決まっていたスケジュールです。しかし、9日の発表を聞き、ECOTESTの代表は激怒したそうです。そりゃそうです。あんなバカバカしい内容で否決されたわけですからね。結局、その代表はフォーラムへの参加を取りやめたそうです。

二回目の入札に関してですが、十条電子も絡んでいたそうです。「J-RAY 1.2」なる製品を引っさげて。しかし、浪江仕様に合わせるため、カタログ上の表記を修正しただけとみなされ、入札参加を認められなかったようです。

もうひとつ、二回目の落札結果を受け、アンビエントは浪江町役場に「実機の検査はしないのか?」と聞いたそうです。先の議会でそんなことを言われたわけですから、当然の疑問です。そうしたら、役場はこう答えたそうです。「必要ない」。

えーっと…。少なくとも、ECOTESTのほうが、TERRA-Nのほうが、JBジャパン・ブランドより、精密博士(β)より、実績があると言いますか、信頼性が認められていると言いますか、世に知られていると言いますか…。

私はアンビエントの担当者にこう尋ねました。

「これは法的にも問題があるかもしれませんよね。安積医科器械に対して、それ相応の補てんなり損害賠償なりを求めるつもりはないんですか?」

アンビエントの担当者はこう答えました。

「仮にこちらが勝ったとしても億単位の金額を先方が払えるかどうか…。そして、安積医科器械は福島県で長年、医療機器等の販売をしてきている企業です。地元に根ざした企業です。その企業に、こんな時期に悪影響を与えるおそれがあるようなことをするのも本意ではないので、今のところ裁判云々は考えていません」

私はハッキリとこう言いました。

「確かに被災地に対して配慮すべきことがある。だけど、じゃあ被災地だからといって、何でも許されるかというとそうじゃない。そして、この件に関しては、被災地がどうのこうのという問題じゃないと思うんです」

しかし、アンビエント担当者は、一定の同意を示しつつも、こう呟きます。

「弊社はビジネスとして考えていますが、同時に、被災地の役に立てればとも思ってやってきました。だけど、そういう善意では、復興の名の元に集う有象無象には立ち向かえないんでしょうね。もっとビジネスだと割り切っていればよかったのかもしれません」

この一連のできごとにより、アンビエントから社員が数人去っていったそうです。売れるかどうかもわからない製品が、2000台以上、届いているんです。そりゃ不安になりますよね。しかも、発注分はまだまだあります。ECOTESTからは早く買い取ってくれと催促が来ています。安積医科器械とは膠着状態です。この担当者も相当、神経を擦り減らしたようです。

「否決後、いろいろな資料も用意し、町長やさまざまな町議に説明しました。すると、町長からは『業者は悪くない』との言葉を頂きましたし、何人かの町議からは『間違った判断をしてしまった』とも聞きました。だけど、役場も議会も自身の非を認めたくないんです。誤りを”隠ぺい”したいのかもしれませんね」

なお、ECOTESTに対しても同様に説明をし、今ではECOTESTからは理解を得ているようです。そして、こんなことを言われたとか。

「共産党政権でもこんなことはなかった。日本は民主主義が進んだ国家のはず。にも関わらず、こんなことが起こるなんて信じられない。そんなことを言われましたよ(苦笑)」

■みにくいアヒルの子

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アンビエント事務所に積み上げられた木箱。ひとつの箱に150台の「TERRA-N」が収められています。

「通常、発注をかけたら、こんな風にして中10日くらいで届くんですよ」

しかし、アンビエントはこの「TERRA-N」をホームページ上で販売する予定はないと言います(他のチャンネルで販売していくそう)。

「もう、出せば売れるという状況でもありませんから、弊社のビジネスモデル自体を転換しようとしています。単なる放射線測定器の販売ではなく、放射線測定器をどう活用していくかということをソリューションとして提案していく、B to B を中心に展開していこうと考えています。

”測定単価”という言葉をご存じですか? たとえば、高価な国産シンチでメッシュ測定するにも、測定器自体の購入金額、人件費、電池代等を考えると、実は非効率的だったりもします。たとえば、数十時間しか電池が持たないサーベイメーターで測っていては、コストがそれだけかかりますよね。だけど、ECOTESTはじめ外国の製品は、そうしたコストを考えた上で、これが最適だと長年の経験をもって判断し、機器を開発・製造しています。日本ではシンチが正確だなんて言われていますが、ある高性能シンチサーベイメーターを見てもらったところ、笑われました。『こんなものは古すぎる』と。彼らはシンチだって作れます。だけど、結局はSTORA-TUなどのガイガーカウンターを使っています。こうしているのには理由があるんです」

チェルノブイリから約30年。その経験を詰め込んだ、デジタル・パーソナル・ガイガーカウンターの究極形態がTERRAです。蛇足ながら、私は「放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2011 in Japan」の”2011年度 年間最優秀放射線測定器”に「TERRA MKS-05」を選びました。

放射線測定器 オブ・ザ・イヤー 2011 in Japan

この黒テラとほぼ同スペックの「TERRA-N」が浪江町の方たちの手に、もう少しで届くはずでした。

gc_773.jpg 正直に言います。私はこの緑色が好きではありません(本当は「DKG-21M」のような黄緑色を希望していたそうですw 左画像参照)。日本語表記も嫌いです(浪江町に配布するということを考えれば、日本語表記であることは必須だとも思います)。でも、だけど、私が浪江町民だったら、この「TERRA-N」がよかったと思うでしょう。

ECOTESTは福島県にTERRAをはじめとする放射線測定器を数千台、寄贈してくれました。浪江町役場のミスに対しても、がんばって新製品を開発してくれました。だけど、「ニコイチ」だの「改造」だの「信頼性がない」だのと、イチャモンをつけられ、採用されず(で、何が採用されたんでしたっけ?)、行くあてもなく、事務所の片隅に、大量に積まれている「TERRA-N」。

浪江町役場・町議会に対する憤りもあるのですが、それ以上に、放射線測定器を愛する者としては、あの木箱がすごく切なく目に映り、そして、何に対してだかよくわからないのですが、「申し訳ない」と思ってしまうのです。

「みにくいアヒルの子」というアンデルセン童話を思い出しました。アヒルの群れの中で、他のアヒルとは違った姿で生まれてきたヒナ。いじめられながらも大人になり、すると、実は美しい白鳥に成長していた-

多くの善意で生み出され、だけど恩を仇で返されるかのごとき仕打ちを受けた「TERRA-N」。この緑色、日本語表記は正直、気に食わない。醜い。だけど、実は黒テラ同等機。現時点でのローコスト・ガイガーカウンターの最高傑作です。この「TERRA-N」が白鳥として世に認められ、羽ばたいていくことを願わざるを得ません。

というか、ずっと見てると、この緑色も悪くないなと思えてきたりw

[関連過去記事]
浪江町のガイガーカウンター その9 ~浪江町の方へ贈る、ガイガーカウンター「精密博士」のあれこれ
浪江町のガイガーカウンター その8 ~いよいよ全世帯配布開始
浪江町のガイガーカウンター その7 ~遂に可決! 機種も判明…
浪江町のガイガーカウンター その6 ~二度目の落札業者が決定→仮契約で次は議決
浪江町のガイガーカウンター その5 ~仕切り直して条件も新たに再度入札公告
浪江町のガイガーカウンター その4 ~今回の真相、今後のこと/実は日本初/勝手に浪江町に最適な機種を考えてみたw
浪江町のガイガーカウンター その3 ~議会で否決。なぜ入札参加→落札できた?
浪江町のガイガーカウンター その2 ~落札業者と”機種名”を浪江町役場に聞きました
浪江町のガイガーカウンター入札広告(落札済)の不思議 ~いったい誰が何を!?

※文中敬称略

※改めてカタログとしてまとめますが、黒テラとTERRA-Nの違いは線量率範囲のみ。TERRA-Nは~5000μSv/hです
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コメント

非公開コメント

浪江のNから中通りのNとしてほしい

安積医科器械が近所にあります。浪江の平均空間線量が1.0μSv/h超えているとは思えませんが、浪江街道から二本松市に抜けた旧:岩代、白沢はモニタリングポストですら1.0μSv/hに近い値を表示している地区。岩角山を中心に半径10kmがこの状態。行政も国もほとんど何もしない。住民は諦めて普通に生活するしかない。こんなところこそ、このTERRA-Nは必要かも。浪江(NAMIE)のNから中通り(NAKADOURI)のNに読み直し、この地区の行政が買い取り、住民に配ってほしい。
え、郡山市は・・・だめですよ。市議会のお年寄りが選挙以外考えていません。新人議員は発言ができない。安積医科器械のすぐそばに小学校と中学校があります。先日情報開示で、ガラスバッチの積算線量が1mSvを超えている子どもが出ました。年間でなく1、2ヶ月でです。でるよねーたぶん。この地区の除染は市長が自己責任でしろ!といったから、なんちゃって除染を町内会がしてました。川沿いの通学路の桜並木は0.8μSv/h(1m高)越えです。
いつまでつづくのか、議員さん達の不勉強ぶりが、住民を呆れさせる。選挙でしっかり選んでも、後援会次第で議員にあまり変動で起きない。

浪江の方・・・がんばりましょうね。
GCCの管理者のかた・・・これからも有効な情報UPお願いします。

Re: 浪江のNから中通りのNとしてほしい

台数が台数ですからねぇ。自治体や企業などから、まとまった数の注文があるといいかもですね。逆に、大量のコンパクトなガイガーカウンターが必要だとしたら、これほど揃えやすい状況もまたとないというw

拍手コメントをお寄せ頂いた某町民様

コメントありがとうございました。

お力添えになるかどうかわかりませんが、
いつでもお気軽にどうぞ(^^

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Re: タイトルなし

いえいえ(^^

今後ともよろしくお願い致します。

ものすごくむかっ腹が立ってきました

私は当時浪江町役場に直接電話して担当者と話しました。
その時に「なぜ県内にある精密博士を製造しているという工場に直接足を運び確かめないのか」と問いただしたのですが、必要ないとの一点張りでした。
おそらくこの某町議氏が介在して、中華製とおぼしき精密博士などという物に強引に決めた経緯があったのでしょうね。
所詮役人は上には逆らいませんから。
今ではこの精密博士のオリジナルであるJB4020はヤフオクで3980円即決送料込で売られていますよ(爆笑)。
先日はどこかの業者が同じくヤフオクでまとまった数を1円からスタートで出品し3000円程度で落札されていました。
市場の評価はそんな程度です。
なんとももはや、こんな非常時にもへんな思惑が絡むという事ですね。
善意で輸入された業者の方がとても気の毒です。
ECOTEST社の方が激怒するのは当然です。
しかもよりによって中華製と思しき、世界的にはまったく実績の無い機種を選ぶのです。
さらにいうとこの購入の原資は税金なのです。
もう本当に頭にくるというか、こんなことが平気でまかり通るようでは浪江町には何もしたくなくなります。
町民の人たちが本当に哀れです。

Re: ものすごくむかっ腹が立ってきました

機会があれば議事録をもう少し紹介したいと思っていますが、そうするとその怒りがさらに膨れ上がると思います(^^;

そして、こういうことがこの件だけのはずがなく…という。

明らかに収賄

この某町議があまりにも不自然過ぎます。
県外の記者に取材してもらって真相を暴いてはどうですか?
測定単価の考え方、ロシアやベラルーシ、ウクライナでなぜSBM-20がメインなのかよくわかりました。
ありがとうございました。

Re: 明らかに収賄

不自然だとは思いますし、否決を決めた議会は完全に誤っているとも思いますが、予断でもって、しかもこの場で、そこまでは私は申し上げられません(^^; 前段に関してはノーコメントとさせて頂きますw

測定単位はサーベイメーターによるメッシュ測定だけではなく、食品等のベクレル測定にも同じことが言えるかもしれませんねー。

コメントありがとうございました。


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