OpenGeigerProject(OGP)の「RD-2 量産型」が値下がりしました~OGP系が見せてくれる”その先の世界”

2012年09月18日
関連ワード:最新入荷情報
OpenGeigerProject(OGP)の「RD-2 量産型」(WBS)が値下がりしました。19,800円から16,800円ですから、3000円安くなっています。

販売者がWBSなので、メーカーによる値下げです。これからもしばらくはこの価格設定が続きそうな感じもしなくはないですし、現ロットをとりあえず処分するためにとも考えられなくはない。つまり、わかりませんw

ちなみに、おなじOGP系の「ガイガーFUKUSHIMA」は変わらずの18,800円。背面スリットの有無は違いますが、両者は基本的には同じです。

「RD-2 量産型」の(というかOGP系の)ひとつの大きな特徴はcpm表示です。一分間に放射線を何回カウントしたか(counts per minute)という意味なんですが、実はエントリーモデル、比較的ロープライスな機種でcpm表示できるガイガーカウンターってあまりないんですよねぇ。

「SOEKS 01M」にも「RADEX RD1503(1706)」にもTERRAシリーズにもcpmはありません。価格だけで言うなら、次に登場するのは「Gamma-Scout」。一気にミドルクラスになってしまいます。そういう意味でも、OGP系は貴重な存在です。

なぜこうなっているかというと、エントリーモデルが想定するユーザー層にとって、Svはわかりやすい、cpmはわかりにくい、とメーカーが考えているからでしょう(もちろん、コストを抑えるためにできるだけシンプルにしたいということもあるのかもしれませんが)。

まあ、できるだけシンプルに、できだけわかりやすく、というメーカーの姿勢は理解できます。こうしたモデルのおかげで、なかなか馴染みのない放射線(測定)に素人でも慣れ親しむことができるという利点もあります(まさにエントリー=入口)。

ただ、ユーザー側に立って考えるならば、これが100%よろしい状況だとも言いづらい。なぜなら、放射線測定器の原理・仕組みから見れば、カウントこそがその本質だからです。

※直近の記事「個人線量計「EPD-MK2」が出品! 線量当量の本質を教えてくれるからコイツが面白い!」と今回の記事では、言っていることが矛盾しているように見えるかもしれませんが、そうじゃないんです。「現に手にしている放射線測定器はSvを表示してるでしょ? だったら、そのSvとは何かをちゃんと理解しないと、適切な測定はできませんよね?」という話でした。今回の記事は「じゃあ、そのSvは具体的にどういう仕組みで算出されてるんだ?」という話です。長い余談でした。

一般的な放射線測定器はガイガーカウンターだろうがシンチレーション式放射線測定器だろうが、放射線をカウントしています。SOEKS、RADEX、TERRA、Radi、エアカウンターS、すべてそうです。

ただ、カウントをどうSvに換算しているかという部分が機種によって大きく異なります。そして多くの機種はこの部分がブラックボックスになっています。ユーザーからは見えないんですね。いや、あえて見えないようにしているんです(移動平均といったって、具体的にどんな計算をしているかはわかりませんよねぇ)。

ある意味でのわかりやすさを追求するならこれはこれでいい。だけど、本当に放射線のことを理解しようとすると、これじゃあ不十分なわけです。なぜなら、カウントを見て、そのバラつきを感じ、あるいはそれを統計学的に計算することが放射線測定の本質であり醍醐味でもあるからです。

いや、毎回そうやって測定すべしとは言いませんよw だけど、こういう経験を一度でもしておけば、少なくとも「0.12だったり0.08だったり、すごいフラつく!」なんてことにはならないわけです。そんな方がcpmを見たりカウント取ったりしたら仰天するんじゃないですかねw

さて、話を「RD-2 量産型」に戻します。先ほど、「RD-2 量産型」をエントリーモデルと言いましたが、このように見てきますと、エントリーモデルというのは少々、正確性に欠く表現だということがわかります。確かに、とてもわかりやすい機種ですから”エントリー”ではある。と同時に、cpmという放射線の”原体験”をすることで、より深く放射線(測定)を理解できるようになりますから、初心者から中・上級者へと誘ってくれる、言わばブリッジ的存在でもあります。

さらに、少し難しい話になってしまいますが、OGP系は一定時間内のカウント数ではなくカウントにかかる時間によって測定値をはじき出します。たとえば、「RADEX RD1503」は10秒、40秒、160秒という時間内のカウント数を見ていますよね。だけど、「RD-2 量産型」をはじめとするOGP系は16カウントするのにどれほど時間がかかったか、という基準で測定値を出しているんです。16カウントするのに1分かかれば線量が低い、10秒だったら線量が高い、と。

こんなことをする理由は何なのか、こうするメリットは何なのか、そんなことを学べば、さらに測定ワールドが広がります。そう、「RD-2 量産型」は、OGP系ガイガーカウンターは、初心者が開いた狭い入口の扉をグッと広げてくれます。そこから差し込む光はとてもまぶしく、最初は何も見えないかもしれない。だけど、目が馴染んでくれば、すべて隈なく見ることはまだできないかもしれないけれど、少なくともその先の広い世界を感じさせてくれる、そんな機種なんです(^^

[関連過去記事]
cpm表示のあるガイガーカウンター
関連記事
エアカウンターEX

コメント一覧

764. 2012.09.19
結局、SV表示もCPMも単位時間当たりの放射線の量。
ようは、単位の問題

CPMはベクレル測定には必要だけど、シーベルト測定には不要。
実際、フィールドで測定を重ねると、CPMは無くても良い事に気が付く。

それより、放射線の飛び具合を見れば、だいたい解るよね。
放射線検出音や、放射線検出インジケーターが有る事の方が大切です。
 
765. 2012.09.19
Sv/hは基本的にはγ線を対象とした単位です。cpmは線種を問いません。ですから、時間あたりという点では共通していますが、何を測ろうとしているか(あるいは何をそれで測るべきか)は異なります。

Svでβ線を測定し(正確には測定じゃありませんが)、さらにはそのSvでもって年間被ばく量を算出しようとする人があとを絶ちませんから、cpmを見て汚染度合を推し量ることができるんだよ、ということを知ること自体には意義があると思います。

本文でも書き記していますが、何もcpmだけで測定せよとか、そういうことを言っているわけではありません。カウントを意識することで、放射線に対する理解も深まるんじゃなかろうか。そういうきっかけにcpmは、OGP系は役立ってくれるはずだ、というのが本旨です。

ただ、確かにcpmも本当に1分間のカウント数を出しているかというと、そうとは限りませんからねぇ。検出音やランプ(まさにカウント)が重要だというのは同感です。実際、数値よりも検出音を聞いてることのほうが多いなんてこともありますしね(^^

本文を読み返してみますと、「cpm」と「カウント」という言葉を少しごちゃまぜにして使っちゃってますね。このあたりは反省です(^^;

コメントありがとうございました。

コメントを投稿する




管理者にだけ表示を許可する

みんなの放射線測定入門 (岩波科学ライブラリー)
著者:小豆川勝見(しょうずがわかつみ)

いちから聞きたい放射線のほんとう: いま知っておきたい22の話
著者:菊池誠(きくちまこと)×小峰公子(こまつきみこ)

武田邦彦が教える 子どもの放射能汚染はこうして減らせる!2 親子で一緒に実践編  (SUKUPARA SELECTION)
著者:武田邦彦(たけだくにひこ)

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1)
著者:竜田 一人(たつたかずと)