具志堅用高が教えてくれる適切な放射線測定器 ~奥深い「equivalent」

2011年05月19日
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gc_016.jpg ええと、放射線測定器に関するマジメな説明ですからw

前回、「RADEX RD1008」をカタログで紹介しましたが、公式サイトの説明文にとても興味深い記述がありました。そしてそれは、放射線測定器を選ぶ際のひとつの”指標”も暗に示しています。

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(説明原文)Radioactivity detector RADEX RD1008 is designed for detection of ionizing radiation and estimation of the ambient dose equivalent values, the ambient equivalent dose rate of photon (gamma- and roentgen) ionizing radiation and the beta-particles flux density.
(訳)放射能検出器「RADEX RD1008」は電離放射線を検出し、また、環境放射線当量-電離光子放射線(γ線、X線)やベータ粒子束密度の環境放射線当量率-を推計してくれます。
[ソース]http://www.quarta-rad.ru/en/products.php?id=8
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言ってる内容自体は他の放射線測定器の説明と同じです。ただ、かなり正確に説明しようとしています。そして、何気ない一文ですが、実はこれがかなり難しいんです。正直、素人の私ではチンプンカンプンです。

まず「equivalent」。放射線関連サイトをいろいろ見ていると確かによく見ます。「DER」なんて言葉も目にしたことはありませんか? これは「dose equivalent rate」の略で、「放射線量当量率」です。ただ、普通は「dose rate」などと言われますし、当該文脈としても単に「dose (rate)」と言うのが一般的です。ではなぜ「equivalent」なのか。

ここに「シーベルト」の本質が表れています。もうみなさんご存知ですよね。「1Sv」というのは「水が1リットルあります」というのとは根本的に違います。かなり大ざっぱに言うと、「パンチを1撃食らうと、受けたダメージはパンチ1撃に”相当”する量」と同じです。

パンチと言ってもさまざまです。ボクサーが放つパンチか、子供がふざけてパンチしてくるのか。あるいはボクサーのパンチであっても、50cm先の至近距離から放たれたか、あるいは1m先から撃たれたかでも受けるダメージは違います。

つまり、パンチの威力を無条件に絶対的な量として表すことはできないということです。そこで、たとえば「50cm先から現役時代の具志堅用高が放った左ストレートが顔面にあたったときのダメージを”1パンチ”とする」という風に定義しようとします。そして、私たちは物にぶつかったとき、こう言います。「今のは痛かったなぁ。1パンチ”相当”だ」と。これが「Sv」。これが「equivalent」=「当量」です。

次は「photon (gamma- and roentgen) ionizing radiation」。「photon」は「光子」、「ionizing radiation」は「電離放射線」(いわゆる放射線のことと思っていいでしょう)です。すなわち、上記タームは「電離光子放射線」という意味なのですが、では光子とは? なぜ「γ-ray」などと簡単に記さず、わざわざ見なれない「photon」なんて言葉を使ってる? これ以上詳しくやってしまうと、とんでもないことになります。というか素人の私には無理w

いずれにせよ、これくらい奥の深いことが「RADEX RD1008」の説明に含まれているということなんです。

先の引用文ですが、簡単に言おうとすれば、

RADEX RD1008 is designed for detection of β and γ radiations.

これで済みます(実際、RD1503あたりの説明はこれくらいです)。なのに、ここまで正確に説明しているのには理由があるはずです。その理由とは、この「RADEX RD1008」が一般向けではなく、かなり専門的な知識を持った人に向けた製品だから、ということでしょう。あくまでも想像ですが。

乱暴に言ってしまうと、RADEXシリーズを性能順に並べると、

RD1503 < RD1706 < RD1008

となります。

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「それじゃ、一番性能のいいRD1008を買えばいいじゃん」

そう思ってしまうのは早計です。もしあなたが先の引用文を正確に読むことができるのであれば「RD1008」でもいいでしょう。けど、もし「photon」について説明ができないのであれば、「RD1008」はtoo much。説明書の冒頭の文章から意味がわからないような機器を買ってどうするんですか?とw

よく「大は小を兼ねる」と言いますが、放射線測定器などにおいては必ずしもそうは言えません。”素人”があまりに高性能な機器を持ったとしても使いこなせないからです。分相応。素人は素人の使用に適した機器を利用すべきでしょう。まさに「equivalent=同等・同価値・等価物」ですねw

[参考サイト]
http://www.ebm.jp/topics/radiation.html
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6650333.html
http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E9%9B%BB%E9%9B%...
http://englishssquad.blog96.fc2.com/blog-entry-42.html
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/Takehito.Senga/geocity/ebterm.html
http://www.hdcsj.com/hdc/index/led/Lights.htm
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