2012/08/26

Polimaster(ポリマスター)が日本上陸!? PM1912、PM1406も? で、気になるのが”dosimeter問題”

関連ワード:ニュース , Polimaster , 実用量 , dosimeter問題 ,
非常に興味深い記事がありました。

[ソース]毎日新聞:ベラルーシから:秋田と交流20年/4 放射能汚染地図作りへ 両国のメーカーと協会が協力 /秋田
※4ページあります

ポリマスター社は今、GPS(全地球測位システム)機能を活用した放射線測定器の販売に向け準備をしている。これが可能になると、機器を持った人が訪れた場所ごとの空間放射線量をデータとして管理できるメリットがあり、協会と布川さんの会社はポリマスター社と協力し、この機器を使った地図づくりを目指しているのだ。

もちろん実現にはいろいろな課題が残されている。だが、2人の思いを知るポリマスター社も「個人向けの線量計の日本での販売と、食品の放射性物質の濃度を測定できる機器販売と二つのプロジェクトを考えている」と日本重視の考えを示している。

今秋にもグループの海外企業、ポリマスターパシフィックの拠点を東京に置き、具体的に計画を進めていくという。

おそらくですが、「PM1912」と「PM1406」のことでしょう。

まず「PM1912」ですが、「個人向けの線量計」といういつもの言い方が気になります。某正規代理店も「個人向け積算線量計」と言ったり、あるいは「個人線量計」とも言っちゃってます。

東京に来るのは大変ありがたいですが、その際にはぜひ、言葉の使い方に気をつけて頂きたいものです。

「PM1912」は少なくとも個人線量計ではありません。なぜなら、「PM1912」が測定するのはambient Dose Equivalent (rate)=周辺線量当量(率)だからです。そして、サーベイメーターと個人線量計の違いをわかっていない人が多いという現状では、「線量計」という言葉を使うのも控えた方がいいと私は思っています。正規代理店ですらわかっておらず、間違った説明を流布していますからねぇ…。困ったもんです。

※もう少し詳しい説明を最後に記しました

また、「PM1406」に関してですが、この記事を読むと発売は今秋までずれ込むんじゃなかろうかとも推察できます。ただ一方で、予約を受け付けているショップ、すでに販売されているかのような説明をしているショップもあります。このあたりもちょっと…。どうなってるんでしょうねぇ。

2012.10.12追記:ポリマス公式サイトで紹介されるようになりました

[関連過去記事]
ポリマスの新ベクレルモニタ「PM1406」がAmazonにも登場(本当に?) ~そしてスペクトル問題について

次。

同社は震災後、日本で販売されている放射線測定器を5種類持ち帰り、正確に作動しているかどうかをテストをした。その結果、5種類とも正確な数字は示していなかったという。担当者は「中には机に軽くたたいただけで、数字が上下するものもあった」という。

5種類ってなんでしょうね。軽く叩いただけで数字が上下…。思いあたる機種があるようなないようなw

とりあえず、これからのポリマスの動向には注目ですね。
線量計という言葉について改めて説明します。もう何度目でしょうかw

線量計
吸収線量、照射線量、線量当量などを測定する計測器

[ソース]JIS Z 4001 原子力用語

ですから、サーベイメーターも個人線量計も線量計と呼ぶのは間違いではありません。ただし、線量計≒放射線測定器は日本の規格上、測定対象としている線量当量の種類によって2つにわかれます。すなわち、周辺線量当量を測定するサーベイメーターと個人線量当量を測定する個人線量計です。

両者は用途が異なります。両者の違いを知ることはとても重要なことです。ですが、放射線測定器を十把一絡げに線量計と呼んでしまうと、この差が意識されません。あるいはその違いを知ることすらなくなるかもしれません。

さらに事態をややこしくするのは英語の「dosimeter」という言葉、および各国の規格上の定義です。詳細は日を改めて詳しく紹介したいと思いますが、海外では(特にロシア系では)積算できる放射線測定器を「dosimeter」と呼ぶ傾向があります。たとえば「TERRA」本体には「radiometer-dosimeter」という表記があります。

「PM1610」もdosimeter、「TERRA」もdosimeter。で、日本では線量計と称され、両者の違いが曖昧となっていきます。前者は個人線量計、後者はサーベイメーターなのに。

つまり、日本の規格では測定の基準(周辺線量当量か個人線量当量か)が放射線測定器のタイプをわけますが、海外では測定器の機能(積算機能)でもってタイプわけしようとします。この差がいわゆる”dosimeter問題”です。※私が勝手に問題にし、命名していますw

ここに関する不理解・誤解が如実に表れているのが「PM1912」です。積算線量計とか個人線量計とか、適当なことを言われていますが、「PM1912」はあえて言うならば日本ではサーベイメーターです。なぜなら周辺線量当量を測定するからです。その証拠に「PM1912」の主な目的は各地の線量率をマッピングすることにあります。積算線量も測定できますが、それは周辺線量当量の積算です。そして、これを測定するというのは当該機種の用途からすると二の次です。

某正規代理店の説明も、なんならポリマスの日本語サイトもメチャクチャなんですが、もしポリマスが日本上陸となるのなら、ぜひ、この”dosimeter問題”にはセンシティブになって頂きたいものです。

どことは言いませんが、海外メーカーが日本に来るとロクでもないサイトを作っちゃったりしがちなので、ヒジョーに心配ですw

※「PM1912」に関して、ポリマスのロシア語サイトでは「dosimeter」という言葉を使っていますが、英語サイトでは「dosimeter」という言葉を極力使わないようにしています。両者を読み比べてみて下さい。面白いですよw

[関連過去記事]
放射線測定器と個人線量計 ~何が違うの?
富岡町の個人線量計ついでに、改めて言葉の定義を確認してみます
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