原子力機構とアロカがWi-Fi(?)搭載の個人線量計(おそらく)を開発・実用化

2012年08月26日
関連ワード:ニュース , 日立アロカメディカル ,
作業員の被曝線量や状態を即時把握 原子力機構が新システム開発
2012.8.25 17:28

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日本原子力研究開発機構(原子力機構)は24日、放射線管理区域での作業員の放射線量や健康管理を把握する「多機能入域管理システム」を今月から大洗研究開発センター材料試験炉(JMTR、茨城県大洗町)に導入したことを発表した。新システムでは遠隔操作で作業員の位置や被曝(ひばく)線量がリアルタイムで把握でき、安全な環境で作業できるようになるという。

開発されたシステムは作業員が原子炉建屋内に入る際、位置検知タグと無線式線量計を携行。機器の個別IDにより各作業員の建屋内の位置、作業時間、放射線量、心拍数などが無線でサーバーに送られ、原子炉制御室の大型ディスプレーに瞬時に映し出される仕組み。

原子炉建屋内での作業は従来、作業員が線量計を身に付けていたものの、被曝線量は制御室からの問い合わせに対して自己申告していた。新システムは積算被曝線量を常時計測できることで、状況をみながら作業時間を調整することなどが容易になった。位置検知により転倒や心拍数の急上昇など不測の事態でもより迅速な救護が可能となる。

線量計メーカーの日立アロカメディカルとの共同開発で、平成22年12月に「被曝管理システム」として特許を取得している。開発費は約8千万円。今年春の導入後、コンクリート遮蔽室などの障害物をクリアする電波調整が進められていた。これまで原子炉内の無線使用制限などがネックになっていた。中継を伴わない可動範囲を半径50メートルとしており、機構側では福島第1原発の解体作業や学校のグラウンドの除染作業など「多数の作業員の被曝線量をリアルタイムで管理できる」としている。(田中千裕)

[ソース]MSN産経ニュース

何点か気になる記事です。

まず、最後の段落。紙からの抜粋だとしたら抜粋の仕方が悪いし、これが全文だとしたら記者の文章力に疑問を抱かざるを得ないのですが、意味が判然としません。

接続詞がないということもあって、どう文章がつながっているのかわかりませんね(^^; 遮蔽物があっても大丈夫なよう電波調整が進められていた、と。なるほど。で、無線使用制限というのは何ですかね。遮蔽物があるからそれが制限となっていたのか、法令で無線の使用が制限されているのか…。そして、可動範囲が50mというのは、電波調整がうまくできたから広がったということでしょうか。なんだか釈然としません。

次にメーカーです。日立アロカメディカルと日本原子力研究開発機構の共同開発ですね。検出器は半導体でしょう。一般利用されるようなものでもありませんから、細かなスペックはこの際、どうでもいいです。それより気になるのが無線部分。写真からすると、アメリカ・AeroScout社のWi-Fiでしょうかね。

記憶が曖昧なのですが、Wi-Fiでリアルタイムに状況を把握できるという個人線量計は見たことがありません。あったかなぁ。Polimasterの「PM1403」やドマイナーですが「MG-11」なんていう機種にはWi-Fiがついていますが、これらはサーベイメーターです。いずれにせよ、ほとんどありませんから、面白い仕様だと思います。高線量エリアでWi-Fiは影響を受けないのでしょうか。そのあたりも気になります(こうして製品としてできあがっている以上、そういう問題はないんでしょうけど)。

最後に、こういう類の線量管理システムは、それ自体はいいのですが、問題は運用する側もしくは使用者のモラルでしてw いかにテクノロジーが詰め込まれた線量計を開発しようと、鉛カバーつけたり、未装着だったりなんてことは防ぎようがありません。あるいはこうした状況を電力会社は黙認している可能性もあるわけでして。

素晴らしいシステムが目の前にあります。状況を明確に的確に正確に伝えてくれます。では、その状況が運用側に不都合なものだったらさて…。

もしかしたら今後、福島第一原発でも利用されるようになるかもしれません(記事によると)。それはそれで結構なのですが、どんな技術であっても、それをいかに運用するかが大切だという、至極陳腐で当たり前のことを改めて書かざるを得ないという現状に、いやはやなんとも、やるせなさを感じる次第ですw
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コメント一覧

901. 2013.03.01
http://www.fujielectric.co.jp/products/radiation/rad/case.html

これに出てくるNRG式線量計ですが、リアルタイム遠隔監視できる線量計です。すでに実用化されてるんですね。
特定省電力無線、zigbeeなどにも対応してます

WiFiも実証してますが、バッテリーの問題もあって標準モデルには搭載されていないんですね。
尚、日本原子力発電所にて10年前から導入済みです。
何が新しいんだか?

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