2012/08/23

獏原人村とガイガーカウンター

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福島県川内村に”獏原人村”という村と言いますか、コミュニティーがあります。1970年代後半(1980年代前半?)あたりに、「なかま数人と理想郷をめざして福島の山奥に」移り住み、原発事故のあった今でもそこで生活をしています(引用元:獏原人村へようこそ)。

そんな”獏原人村”にはチェルノブイリ直後からガイガーカウンターがありました。「R-DAN」というガイガーカウンターです。

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[写真転載元]川内村にある元ヒッピーのコミューン、獏原人村が原発事故以前から持っていた放射線検知器。単位はCPM。

今持ってる線量計は去年買ったロシア製のSOEKSと村から支給された富士電機のDOSEeと言う機種。村のあちこちにあるモニタリングポストも富士電機製。

最初は東芝アンペックスというところのR-DANというのを使っていたけどこれは26年前に買ったもので調子悪いので川内村の放射能資料室に貸し出してます。

これはシーベルトではなくてガンマ線の突入個数を数える物で事故まえは15~20cpくらいだったのが3月19日には200cpmになっていた。自分のは故障中だけど三春の友人がR-DANの進化系のものを持ってきて測ったら30cpmくらいで事故前の倍くらいでマイクみたいな器械と同じような値がでたのでSOEKSよりもDOSEのほうが数値が近いと判断してそちらの数値を発表することにしました。

[ソース]満月祭
※コメント欄参照

gc_497.jpg こんなことを知ったのも、左のような資料をお送り頂いたからです(ありがとうございました)。私なんかは3.11以前にはガイガーカウンターなんてもの自体を知りませんでしたが、30年も前からガイガーカウンターを持ち、使っていた”一般人”がいたんですね。そして、そのガイガーカウンターの数値を見て、”獏原人村”の方々は一時避難をしました。30年前に購入し使ってきたガイガーカウンターが30年後に命を救う。なんだか胸が熱くなります。

”獏原人村”とは何か。彼らの主義・主張はどんなものなのか。そうした詳細に関してはググってみて下さい。

さて、気になるのは「このガイガーカウンターは何だ?」ということです。上記ブログのコメントでは東芝アンペックス製の「R-DAN」となっています。「R-DAN」でググってみますと、公式サイトが見つかりました。

[参照サイト](株)タウ技研:放射線検知器 RD-2000

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頂いた資料に写っているものと形状が違いますし、メーカーも違います。そこでタウ技研に聞いてみました。

当社は東芝アンペックスにいた人間により設立されたメーカーで、「RD-2000」は当社が開発・製造しています。

とのこと。

東芝アンペックスでは横置きの旧モデルが作られていた。東芝アンペックス解散後、タウ技研で新型モデル「RD-2000」が作られるようになった。そんな感じでしょうかね。

ちなみにタウ技研では、ガイガーカウンター「RD-2000」のほかに、NaIシンチの「たんぽぽ」も製造・販売しています。

[参照サイト](株)タウ技研:たんぽぽ

「たんぽぽ」を利用した簡易食品検査器「ひまわり」もあるようです。

[参照サイト](株)タウ技研:ひまわり

1944年、アメリカでアンペックスが設立され、1964年、東芝との合弁会社・東芝アンペックスが設立されます。1982年、業績不振を理由に東芝アンペックスは解散するのですが、解散をめぐる労使紛争(労使というか労働組合と親会社・東芝との紛争)は東芝アンペックス争議としてよく知られているようです(私は知りませんでした(^^;)。

ここでもうひとつ重要なのが「R-DAN」です。

誰でも簡単に使える放射線検知器が完成し、R−DANが発足したのは、チェルノブイリ原発事故後の1986年8月6日。以降、原発周辺の放射線を監視し、原発事故が起きたときに、放射線から身を守るための市民のネットワークとして活動を続けています。

[ソース]R-DAN

「R-DAN」とは「放射能災害警報ネット( Radiation Disoster Alert Networking )」の略です。R-DAN運動は科学者等の間でその是非が喧々諤々の議論になりました。市民と放射線(測定)のあり方、あるいは科学者と市民の関係などなど…30年前から変わってませんね(^^;

[参照サイト]測定とミクロの権力 放射能汚染問題をめぐって 小倉利丸
※小倉氏の論文(PDF)を第三者が文字起こししたもの

cpm表示のみの、ごくごく単純な放射線測定器。だけど、作られた背景や歴史を辿ってみますと、cpmだけじゃないさまざまなことをこちらに伝えてくれるように感じます。

[画像転載元・参照サイト]ふくラボ!:Do you know 「獏原人村」?
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コメント

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R-DAN

非常に興味深く、自分の活動を省みることにもつながる意義のある記事と思います。R-DAN器は1度だけ報道番組で目にしたことがあります。「測定とミクロの権力 放射能汚染問題をめぐって 小倉利丸」を読みました。そんな議論があったことがかすかに思い出されます。しかし、文中での「シェルター思想」に向かわないための条件である、情報のネットワーク化は実現され、様々な情報インフラの発達、R-DAN運動の一定の発展、さらにガイガーカウンターの低価格普及があって、この現状は、想定されたものなのでしょうかね。やはりこの文を読む限り、議論が中途より変質しているように感じますし、本質はもっと違うところにあるようにも思えます。
 チェルノブイリ当時、自分が感じたことを、少し思い出せたような気がします。
くしくもR-DAN装置の計数率は、ワークショップで製作するガイガーとほぼ同じというところが味わい深いです。

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Re: R-DAN

私もこの資料で、自身のサイトを顧みることができました。

当時とは状況が違いますから、そうとは言えないかもなぁと思う部分もありますし、
やっぱ同じだなぁと思う箇所も多々あり、非常に興味深い内容です。

Re: タイトルなし

いえいえ、おかげさまでと、こちらこそ感謝ですw
またぜひお願いします(^^


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