DP-5V

2012年06月10日
関連ワード:ロシア , history , サーベイメーター ,
dp5v_001.jpg
製品仕様
メーカー -[公式]
検出器 GM管×2本
・SBM-20(レンジ:×0.1、×1、×10)
・SI-3BG(全レンジ)
測定可能放射線 β線、γ線、X線
線量率範囲 200:5~200R/h
×1000:500~5000mR/h
×100:50~500mR/h
×10:5~50mR/h
×1:0.5~5mR/h
×0.1:0.05~0.5mR/h
積算線量範囲 -
アラーム機能 -
計測時間 45秒(安定した測定値が得られるのに要する時間)
エネルギー感度 ±60%以下:1.25 MeV
±70%以下:0.66 MeV
±90%以下:0.084 MeV
バッテリー A336電池×3本(メーター:70時間(ライトオフ))
※A336はソビエト規格で現実的に入手不可。変換アダプタを利用し単3電池で代用可
※電池2本はメーター用、1本はライト用。つまり、最低2本あればガイガーカウンターとして使えます
使用環境 -50℃~+50℃(65%±15%)
95%±3%(40℃±2℃)
寸法(mm) 本体:82×134×163mm
プローブ:φ50×164mm
テレスコピック:560~910mm
ケース:4691×132×277mm
重量 3.2kg(電池含む。ケース付きのフルセットは8.2kg)
【緑】
備考・その他 1980年代半ばには確実に製造されていました(70年代と思わせる本体上の表記も見たことがあります)。また、1992年まで製造されていたとの情報もあります(参照:ECOTEST「MKS-U」)。

ソビエト軍が使用していて、偵察戦闘車「BRDM-2RKh」にも常時搭載されていたようです(参照:wikipedia~BRDM-2)。

後年、「DP-5V」の名が広く知られるようになったのは、1986年のチェルノブイリ原発事故において使用されていたという事実があったからだと思われます。

日本の一般的なショップではまず売られていません。基本的には海外のショップやオークションを利用するしか入手方法はないと思われます。

スペックや構造に関する具体的な詳細は、今さら私があれこれ書くまでもなく、以下のようなサイトをご参照下さい。

utsunomia.com:DP-5Vがやってきた!

Viscom版英語マニュアル

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dp5v_005.jpg 「DP-5」「DP-5A」「DP-5B」「DP-5V」。それぞれがどう異なるのか、DP-5シリーズがどのように発展し、どこでどう作られてきたかなど、不明な点も多々あります。しかし、「DP-5V」ほど多く語られているガイガーカウンターは他とありません。

「CD V-700」が”幻想”の中で生きたガイガーカウンターだとしたら、「DP-5V」は”現実”の中で生きたガイガーカウンターです。もちろん軍用ですから「DP-5V」も核を意識して作られたものでしょう。そういう意味では結果として”現実”(チェルノブイリ)となってしまったとも言えるのですが、ただ、「DP-5V」の詳細を知れば、その設計思想からして現実的だった、つまり、結果によってそうなったというだけではない何かが「DV-5V」にはあることがわかります。

※当然のことながら、「CD V-700」と「DP-5V」のどちらが優れているかといったことではありません

たとえば2本のGM管。単純にレンジによって切り替わるわけではありません。SI-3BGは全レンジにおいて動作しています。ですから、SI-3BGを常に動作させておくのは非効率とも言えます(消費電力、GM管寿命 etc)。

だけど、線量変化は使用者によるレンジ切り替えを待ってくれません。急激な高線量に見舞われ、SBM-20がダメになってしまっても、SI-3BGは生き残り、異変を知らせてくれます。「CD V-700」の滑稽さとは対照的な切迫感、リアリティを感じさせます。※他にもさまざまな意図が込められています

メーターとライトの電源を分離し、正確にメーターを読み取るための”アイシャドウ”という工夫を施し、万が一にも故障しないようあえて「▲」にセットさせる。パーツ、回路、機能、デザインのひとつひとつに、設計者のリアルな想像力が及んでいます。宇都宮泰さんの言葉を借りれば”祈り”です。

ぜひ、上記のサイトをご覧下さい。内容を目でなぞる程度でもいいです(私もその程度しかできませんw)。そうすれば、わからないなりにも、何かが見えます。何かを感じ取れます。もちろん、わかる範囲で新たな知識も得られます。と同時に、ガイガーカウンターの何たるかがわかってくるはずです。

「ガイガーカウンターってカウントしかできないんでしょ?」

「ガイガーカウンターって内部ノイズがすごいんでしょ?」

なんとなくそう言われて、なんとなくそう思ってしまっている自身の浅はかな知識に一撃を喰らわされますw

というわけで、現在は製造されていませんが(たぶんw)、カタログ化300機種目(約w)という節目に「DP-5V」をまとめてみました。

※「こんなもの、いまの日本じゃ使い物にならないでしょう」そういう視点での話じゃないですw
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コメント一覧

589. 2012.06.11
カタログ化300番目にDP-5V、なんだか嬉しいです。
測定系の電池ですが、最低1本あれば正常動作します。2本一組なので、1本分は何かの金属でバイパスしないといけませんが、明らかに「祈り」でしょう。電池を2本1組で使用し、最低限1本でも動作できる、と言う思想はRADEX RD1503や1706にも受け継がれています。こちらは、バイパスの必要も無いです。物資が潤沢な日本では考えにくいですが、電池の入手も困難という(日本でも緊急時には、ガイガー用のリチウムボタン電池が入手不能になりました)いうことも考慮されているのですね。さらに直接の後継機種であるMKS-Uではソーラーパネルまで装備しています。現場で測るとはそういうことなのです。
私は多くのことが学べました(いや、学びつつあります)。
ご指摘のように、日本の現状での実用性なんか無関係ですね。
590. 2012.06.11
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591. 2012.06.11
299、300機種目は「CD V-700」「DP-5V」にしようと、随分前から考えていましてw

> MKS-Uではソーラーパネルまで装備
おおっと。これまでザックリとしか見ていなかったので、気付いていませんでした(^^; さっそく詳しく見てみます。

> RADEX RD1503や1706にも受け継がれています
装備会の動画を見て、ようやく合点がいきました。なぜ1503、1706がこんな作りになっていたのかが。

> 日本の現状での実用性なんか無関係ですね。
以前は私も誤解といいますか、間違って考えていました。役に立つかどうかという視点でしか見ていなかったんですよねぇ。だけど、「DP-5V」を知って、もっと違う見方がある、こうした機器からも多くのことが学べるということがわかりました。

コメントありがとうございました(^^
592. 2012.06.12
装備会やサイトの解説ではあまり深く触れていないのですが、GCCさんなら理解してもらえるかも。
DP-5Vはシビル・ディフェンスと違い、本体を体に装着して使用し、装備したら体から離すことはありません。その辺につい置いてしまうことはない(はず)です。CD V-700は手に持って使用します。プローブを持ってサーチしているときには両手がふさがります。
DP-5Vの訓練を受けた兵士は、DP-5Vと一体になり運命をともにし、空いた手はログを記録します(これはその後の進化をみれば理解できます)。CD V-700は記録をとるには2人一組で活動します(1人で記録をとろうとすると、そのたびに本体をどこかに置かなければ書けない)。心構えと言うか、向き合い方が違うのですね。
国によって人権の考え方は違いますが、DP-5Vを使用する訓練された兵士は、その一体感が誇らしいはずです・・妄想ですが。 だから電池が無くて役目を全うできないなんて屈辱は、許されないのです。 たぶん。
593. 2012.06.12
DP-5Vには持ち手がない=ストラップで下げる=両手が空く=記録しながら測定可能

という視点は欠いていました。
なるほど、確かにそうですね。

ケース裏に書かれている表も、
その場でパッと確認できるという利点がありますし、
シビル・ディフェンスにはない切実さみたいなものを感じさせます。

あと、DP-5Vは軍用ですからモスグリーンなんでしょうが、
CD V-700の黄色との対比も面白いなと感じました。

黄色で目立つ=すぐに見つけられる=裏を返せば常に携帯するわけじゃない

同じガイガーカウンターでもまったく違いますね(^^

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