放射能測定器(ベクレルモニタ)のJIS化に向けた動き

2012年05月24日
関連ワード:ニュース , 規格 ,
当サイトは放射線測定器を製品・商品として、消費者目線から見ることを主な目的としていますから、おのずとJISに触れる機会も多くなっています。

経済産業省に設置されている審議会・日本工業標準調査会(JISC / Japanese Industrial Standards Committee)。ここが制定している工業製品の規格がJISです。

放射線測定器に関係している主なJISは以下の通りです。

JISZ4202ガイガー・ミュラー計数管
JISZ4312X線,γ線,β線及び中性子用電子式個人線量(率)計
JISZ4314蛍光ガラス線量計測装置
JISZ4320熱ルミネセンス線量計測装置
JISZ4323広範囲用フィルムバッジ
JISZ4324X線及びγ線用エリアモニタ
JISZ4325環境γ線連続モニタ
JISZ4329放射性表面汚染サーベイメータ
JISZ4330γ線検出形水モニタ
JISZ4331個人線量計校正用ファントム
JISZ4332X線及びγ線用個人線量計通則
JISZ4333X線及びγ線用線量当量率サーベイメータ
JISZ4337据置形β線用物品表面汚染モニタ
JISZ4338ハンドフットモニタ及び体表面汚染モニタ―α線及び/又はβ線用ハンドフットモニタ及び体表面汚染モニタ
JISZ4339光刺激ルミネセンス線量計測装置
JISZ4340放射性汚染検査用ランドリモニタ
JISZ4341中性子用線量当量(率)サーベイメータ
JISZ4416中性子用固体飛跡個人線量計
JISZ4504放射性表面汚染の測定方法-β線放出核種(最大エネルギー0.15MeV以上)及びα線放出核種
JISZ4507放射性物質で汚染された表面の除染-除染の容易性の試験及び評価の方法
JISZ4511照射線量測定器,空気カーマ測定器,空気吸収線量測定器及び線量当量測定器の校正方法
JISZ4514β線組織吸収線量測定器及び線量当量測定器の校正方法
JISZ4520ゲルマニウムγ線検出器の試験方法
JISZ4521中性子線量当量(率)計の校正方法

私たち一般市民が現在使用している放射線測定器に特に深く関係していると思われるJISには色をつけました。当サイトでもたびたび取り上げているJISです。

さて、本日、このようなニュースが報道されました。

業界各社、食品用放射能測定装置の早期JIS化を推進-低コスト方式で基準

食品用放射能測定装置の早期標準化(JIS化)に、富士電機、日立アロカメディカル、堀場製作所、東芝などの業界各社が乗り出した。2011年の原子力発電所事故後、食品の放射能測定の需要が急増しており、国内の管理基準に沿った測定方法や精度を規格化し、ユーザーの選択の基準とする。10月をめどに規格の原案をまとめて、日本規格協会に提出する予定。経済産業省の審議を経て13年度中のJIS化を目指す。

食品用放射能測定では、ゲルマニウム半導体で検出する方法と、シンチレーション(電離放射線を検知)による方法があり、今回、JIS化に着手したのは比較的低コストで需要の高いシンチレーション方式。国内では食品衛生法で、4月以降1キログラム当たり100ベクレル以下に抑える基準値が導入されている。これを踏まえた国内規格の整備を急ぐ。

日本電気計測器工業会で、JIS化に向けた第1回の委員会(河田燕委員長)を開いた。メンバーにはメーカー各社のほか、日本アイソトープ協会(有馬朗人会長)、国民生活センターなども参加している。食品用放射能測定の国際標準規格では「IEC(国際電気標準会議)61563」がある。同委員会では同規格をベースに国内の管理基準や情勢を踏まえた規格を目指す。今後、分科会を開いて規格の細部を詰め、10月に開く第2回委員会で原案をまとめる。

原発事故後、野菜や果物、肉類などに関する放射能測定の需要が、生産・流通業者と消費者の両者で急増している。シンチレーション方式の測定装置は比較的低コストのため、輸入製品のほか、新規参入も増えているという。消費者の関心が高い一方、高品質の製品を供給する必要があるとして、JIS化を進めることにした。

[ソース]朝日新聞

「食品用放射能測定では、ゲルマニウム半導体で検出する方法と、シンチレーション(電離放射線を検知)による方法があり、今回、JIS化に着手したのは比較的低コストで需要の高いシンチレーション方式。」

とありますが、もう少し丁寧に言えば、ゲルマニウム検出器の試験方法(JISZ4520)に関しては規格がありますが、ゲルマニウム半導体検出器やシンチレーター検出器を用いた放射能測定器に関する規格は現在のところない。ということです。早期のJIS化は私も望むところです。

なお、IEC61563「Radiation protection instrumentation - Equipment for measuring specific activity of gamma-emitting radionuclides in foodstuffs / 放射線防護計装-食品中のガンマ線放射核種の比放射能を計測するポータブル機器」は、こちらで参照できます。

http://www.docin.com/p-327748704.html

サラリと見てみましたが、フランス語と英語が混ざってますw ちゃんとしたものは購入するしかないんでしょうかね。機会を見つけて、もう少し探してみます。

というわけで、シンチレーション式の放射能測定器(ベクレルモニタ)のJIS制定が今秋にも…あれ?

「10月をめどに規格の原案をまとめて(中略)13年度中のJIS化を目指す」

13年度中?? ということは、2013年4月~2014年3月いっぱい? 結構かかりますね(^^;

[関連過去記事]
JISで見る個人線量計とサーベイメーター(放射線測定器/狭義)
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コメント一覧

565. 2012.05.24
当然なことですが『掛け声だけ』の未だ発足しない『原子力規制機関』が規格の管理をするべきだと感じますね。
残念ながら、この1年の間の『核/放射能』に関する公機関の不明朗さをイヤと言うほど味わわされると、既存の『JIS』規格化に組み込む必然性を感じません。まぁ『基準が無い』よりはマシと考えろという論もありますが…。

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