2012/04/26

放射線測定における単位についてザックリと説明してみました~国際単位系(SI)とは

■概要

gc_349.jpg 「TERRA with Bluetooth Channel MKS-05」、通称”青歯テラ”の画面です。よく見かける数値・単位ですよね。この画像は0.12 μSv/h(マイクロシーベルトパーアワー)を指し示しています。

「0.12 μSv/h」は、

0.12 → 数値
μ(マイクロ) → SI接頭語
Sv → SI組立単位
/ → 商(※割り算ですね)
h → SI単位と併用される非SI単位

このような構造になっています。

「0.12 μSv/h」のように、数値とSI接頭語・SI単位の間に半角スペースを入れるのがSI的には正しい書き方です。

ナノ、マイクロ、ミリ、キロ、ギガ、テラ。単位でよく見かける、量に付属する”何倍”という意味を持つこれらの言葉は、SI接頭語と言います。SIとは”国際単位系(Le Système International d'Unités)”の略です。「単位はこうやって表しましょうね」という国際的な決まり事です。国際度量衡委員会(CIPM)という団体が決めています。

測定値としてよく見かける0.1 μSv/h。これをナノ(n)、ミリ(m)にするには1/1000もしくは1000倍にします。

0.1μSv/h = 100nSv/h
0.1μSv/h = 0.0001mSv/h

ザーッと概要を書いてみました。以下、もう少し詳しく書いてみます。

■国際単位系(SI)

SI単位は7つしかありません。

m(メートル):長さ
kg(キログラム):質量
s(秒):時間
A(アンペア):電流
K(ケルビン):熱力学温度
mol(モル):物質量
cd(カンデラ):光度

これらを組み合わせ、さまざまな単位ができます。それがSI組立単位です。たとえばこんなものがります。

m^2(平方メートル):面積
m/s(メートル毎秒):速さ・速度
kg/m(キログラム毎平方メートル):面密度

※「^」は便宜的な表記です。べき乗を表します。SIとは関係のない表記です

SI組立単位は無数にあるのですが、場合によっては非常にややこしくなります。たとえば、エネルギー・仕事・熱量はSI基本単位だけで表そうとすると、「m^2 kg s^-2」となります。これでは不便なので固有の名称と記号が与えられます。左記のエネルギーであれば「J(ジュール)」です。

見覚えのあるものが出てきましたw そう、

Gy(グレイ) = J/kg(ジュール毎キログラム)

です。ちなみに、

Sv(線量当量) = J/kg(ジュール毎キログラム)

でもあるのですが、ここはちょっと注意が必要なところでして、ただ、本旨とズレますから省略します。

■SIの意義、気をつけること

放射線の測定結果をポンとネットに出すということは、社会的な関わりが生じます。多くの人が目にするからです。SIは全世界の人が共通した定義・基準で見るべきものです。線量率などをSIとして公開する以上は、適切な情報を、適切な形で公開する必要があります。

ただし、SI自体は絶対的に従わなければならない決まり事ではありません。これには2つの意味があります。

たとえば、先ほど出てきた「h(時間)」。これはSIではありません。時間は「s(秒)」がSIです。しかし、日常生活において「h」はよく使われます。これがないと不便です。ですから、国際度量衡委員会(CIPM)は日々の生活でSIとともに広く使われている単位を、SIと併用することを認めています。「h」もその内のひとつで、他に「min(分)」「°(度)」「L(リットル)」などがあります。これらは”SI単位と併用される非SI単位”と呼ばれています。

次に、こちらがより本質的なことなんですが、そもそもSIを決めているのは国際度量衡委員会(CIPM)という団体です。これに従わなければならないなんて法はありません(間接的にSIが関わってくることはあるにせよ)。あくまでも「科学、通商、社会の発展のために、こういうルールがあったほうがいいよね」ということを、ある団体が考え決めているというだけのものです。

逆に言えば、「科学、通商、社会なんて関係ねーよ」「SI? 知らねw」という場合は、勝手な”単位”を使ってもいいわけです。よく行くお肉屋さんで「いつものワンパック」と言って頼んだって構いませんw

放射線測定においても同じことが言えます。cpm、cpsは国際単位系ではありません(cpm/cps=counts per minute / second)。そもそも”単位”と言っていいのかどうかも怪しいもんです。なぜなら、手にしているこの測定器が何カウントしたか、というだけのことですから。

ただ、じゃあcpm、cpsなんて意味がないかというとそういうわけではありません。科学や社会の話じゃない、私のこの体の話なんです。危険かどうかを私が察知できればいいわけですから、cpm、cpsにも大きな意味があります。

そもそも、放射線測定器(カウンター)は基本的にカウント数あるいはcpm、cpsからSvをはじき出しています。その意味でもcpm、cpsはむしろ必要なものです。

※放射線測定器のSv表示には人為的な二重の評価(Svという単位における評価、製品におけるカウントからSvへの換算という評価)が加わっているとも言えます。

というわけで、単位のお話でした。

[参照サイト]
国際単位系(SI) 日本語版
訳・監修 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター
http://www.nmij.jp/library/units/si/R8/SI8J.pdf
SI接頭辞
http://ja.wikipedia.org/wiki/SI%E6%8E%A5%E9%A0%AD%E8%BE%9E
国際単位系
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8D%98%E4%BD%8D%E7%B3%BB
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