S.E. InternationalとInternational Medcomの関係~というかInspectorが5万円台w

2012年03月28日
関連ワード:コラム , Inspector , history ,
本題に入る前に、「Inspector PLUS」が56,500円で出品されていたので紹介しておきます。こりゃ安いw

で、左はS.E. international(以下、SEI)の「Inspector PLUS」、右はInternational Medcom(以下、Medcom)の「Inspector Alert」です。違いは3点(意外でしょ?w)。

・メーカーが違う
・デザインが違う
・マニュアルが微妙に違う

以上w スペック的にはまったく同じです。

[関連過去記事]「Inspector」のタイマーカウント/PLUSとAlertのマニュアルの違い

じゃあ、両社(あるいは両者)はどんな関係なんだと。ここがずっと気になっていたのですが、ほんの少しばかりわかってきました。

1978年 Dan SytheがSEI設立

1983年 Dan Sytheが退社

1986年 Dan SytheがMedcom設立

[ソース]LinkedIn:Dan Sythe

Dan Sytheを中心に見たSEIMedcomの歴史です。ただ、SEI公式には1979年設立とあります。そして、そこにはDan氏の名前は見あたりません。設立当時の情報が曖昧です。なぜDAN氏がSEIを飛び出したのかは定かではありませんが、SEIに残った幹部連からすると、おそらくは快い状況ではなかったんでしょうね。できれば消し去りたい社歴だったり?(^^;

日本ではどちらかというとSEIおよびその製品「Inspector PLUS」のほうが有名です。ただ、Safecastの活動が知られるようになるにつれ、もしかしたら知名度という意味ではMedcomと逆転した?なんて感じなくもありません。

SEIとMedcomの大きな違いは、外部との関係性にあります。あるいは外部とどう関係を持つかというスタンスにあるような気がします。そのことを象徴しているのは両社の代表の顔です。MedcomのDan Sytheはマスコミにもチラホラと登場します。顔もよく見かけます。一方、SEIの社長、Susan Skinnerは同社公式でたった一度、その名が登場するのみです。その他の情報はほとんど見かけません。


※5:15あたりからDan Sytheのインタビューです。さすがにドライバー持ってるのは撮影用でしょうw

このことは両社の活動方針とも関連しているように見えます。Medcomは(Dan Sytheは)積極的に外部と関係を持とうとします。その一例がSafecastとの協力体制です。これに限らず、Dan Sytheはさまざまな団体、機関とつながりを持とうとしています。

この結果、SEIのSusan Skinnerが女性であるという情報しかないのに対し、Dan Sytheに関しては経歴はもちろん、彼の思想も知ることができます。そんな中で面白かったのがこちらの記述です。

Dan believes that the best medicine is prevention, and works to provide the best possible instrumentation and information to keep us all healthy. When dealing with controversial issues regarding radiation health and safety, Dan prefers utilizing the precautionary principle, erring on the side of safety whenever possible.

(拙訳)Danは最良の薬とは予防薬であると考えています。そして、私たち(一般市民)が健康を保てるよう、できうる限りの手段、情報を提供すべく活動しています。放射線に関わる健康や安全性といった議論のわかれる問題を扱う際、Danは予防原則を採ろうとします。これはつまり、可能な限りいつでも、安全の側に道を踏み外すということです。

[ソース]Geiger Counter Bulletin:About the Bulletin

この考え方がいい悪いは別です。そして、一般論としてこう言っているに過ぎないでしょうから、このことがすべてに当てはまるとも彼は思っていないでしょう。だけど、ある放射線測定器メーカーの代表が、おおよそこういう思想を持っている人だということがわかる。その点こそがとても興味深いです。

※そういえば! 先に紹介した「「Inspector」のタイマーカウント/PLUSとAlertのマニュアルの違い」という過去記事。ここでの推察があたっていることを裏付けるDanの思想ですね。なるほど。マニュアルもバカにできませんw

何でもオープンにすりゃいいってわけではありません。顔を見せればいいというわけでもない。「Inspector PLUS」と「Inspector Alert」はどちらを選んでも変わりはありません。だけど、こんな視点から放射線測定器を選んでみるのも面白くないですか?w

最後に余談。SEI側の説明によればSEIは1979年に設立されました。Dan SytheがMedcomを設立したのは1986年。いずれも非常に重要な年ですね。1979年はスリーマイル島原子力発電所事故、1986年はチェルノブイリ原発事故が起こりました。そういう時代に生まれたメーカーなんですねぇ。

2011年、福島原発事故のあった年に日本で生まれた放射線測定器メーカー…なんて、後年、振り返ることができるかなぁ…。

「Inspector」一覧(楽天市場)
「Inspector」一覧(Amazon)

[参照サイト]
RADIATION SAFETY ASSOCIATES:VENDOR PROFILE SERIES S.E. International, Inc.(PDF)
※同シリーズにFLUKEやLUDLUMもあって面白いです。機会があれば紹介したいと思います

ああ、そうか。「Medcom」ってもしかして、「Meltdown Company」?? 違うかw
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