放射線測定器を仕組みからタイプ別にわけてみた

2012年03月13日
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一般的によく目にする図だとは思います。が、それらとは異なる点もあります。ぜひ図だけではなく、その下の解説もお読み下さい。

[関連過去記事]「測定対象と相場表」

gc_286.jpg

[解説]

・類似図との一番大きな差はサーベイメーターと個人線量計の差をハッキリと区別しているという点です。ネット上でよく見かける図は、ここを描き切れていないものがほとんどです。ですが、ここが一番重要なポイントです。

・「周辺線量/H(10)」は正確な言い方ではありません。正確には「周辺線量当量の1cm線量当量=H(10)」です。個人線量も同様で「個人線量当量の1cm線量当量=Hp(10)」です。多くの放射線測定器はこのH(10)、Hp(10)という基準によって校正されています。詳細は下記の記事をご参照下さい。ザックリ言ってしまうと、身体表面から1cmの深さの放射線量(多くの場合はCs137由来のγ線)を測定すると仮定して、この機器は測定値を表示してますよ、ということです。

・”空間線量”という言葉も非常に曖昧に使っています。実はとても難しい問題をはらんでいます。この件に関しましても、下記リンク先をご参照下さい。

・ガイガー-ミュラー計数管(以下GM管)を使った放射線測定器がガイガーカウンター。という言い方も不正確です。なぜなら、GM管を使った個人線量計をガイガーカウンターと言うことは一般的にはないからです。ですから、GM管を使ったサーベイメーターがガイガーカウンター、というのが正確な表現だと私は思っています。

・個人線量計の最後に”通称”がありません。個人線量計は検出器のタイプによって呼びわけるということがほとんどないからです。GM管を使っていようが半導体を使っていようが、個人線量計は個人線量計と呼ばれるのが通例です。もちろん、半導体式個人線量計と言っても間違いではありません。

ただし、放射線測定器はサーベイメーターも個人線量計も含めた総称ではあるのですが、半導体式放射線測定器と言った場合には半導体式サーベイメーターを指すことがほとんどです。つまり、放射線測定器という言葉自体が、狭義の意味でサーベイメーターを指すことが多いということです。


・最後にもうひとつ重要なことを。当サイトを始めて約1年経ち、なぜ今さらこんな図を持ちだしたかということです。逆に言えば、この図自体に私はそれほど重要性を感じていないからこそ、”今さら”になりました。

確かにサーベイメーターか個人線量計かという部分は重要です。検出器の違いがどのような差をもたらすかを学ぶことも大切でしょう。ですが、こうした放射線測定器の仕組み、原理から考えるよりも、用途・目的から見た方が放射線(測定器)に関する正確な理解につながるんじゃないかと考えています。

これを具現化したものがこちらの「測定対象と相場表」です。両者の差は原理から見るか用途から見るかの差です。私はより具体的に放射線測定器をイメージできる後者のほうが初心者の方にはいいんじゃないかと思ってます。

個人線量計に関する記事をひとつ前に書いたついでに、こんな図を作ってみました。何かの参考になれば幸いです。幸いなんですが、本当は「測定対象と相場表」のほうこそ参考にして頂きたいんですけどねw

[関連過去記事]
放射線測定器と個人線量計 ~何が違うの?
JISで見る個人線量計とサーベイメーター(放射線測定器/狭義)
二本松マンションはなぜ3ヶ月もわからなかった?~個人線量計とサーベイメーター
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